駄目人 | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

相変わらずのやる気のなさで、今朝は、惰眠を貪って(とは、云え、途中で何度も起き、その度に何かをしているのだが)午後迄寝ていたら、寝過ぎで頭が痛くなった。駄目人間振り全開である。

夕方過ぎに漸くlabへ出掛けたが、衣替えも面倒で、相変わらず短パンで行ったら、やはり、寒かった。明日からは、長パン(と云うのか?)にしよう。もう、昨日、雪降ったしね。


と云う訳(って、どういう訳?・笑)で、イキナリ書評。

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Ultimate Mystery 究極のミステリー、ここにあり』を読んだ。2010年4月の刊行だが、どうやら元のアンソロジーは、2007年版の『ザ・ベストミステリーズ 推理小説年鑑』で、つまり、2006年に発表された作品から選りすぐられた珠玉の15編中、以下の8編が本書に収められているようだ。

東野 圭吾   落下る(おちる)
柳 広司    熊王ジャック
石持 浅海   未来へ踏み出す足
米澤 穂信   心あたりのある者は
不知火 京介  あなたに会いたくて
蒼井 上鷹   ラスト・セッション
菅 浩江    エクステ効果
春口 裕子   ホームシックシアター

巻末に、香山 二三郎に依る優れた解説があり、それをココに再掲出来れば、書評は完成してしまう訳だが(笑)、そういう訳にもいかないので、稚拙な感想を述べさせて貰う。

何の先入観もなく、単に最近のミステリーはどんな感じかな?と云うので、それを知るにはアンソロジーが一番だろう、と云う理由で購入した本書であった。

東野の作、『落下る』は、所謂ガリレオ・シリーズの一編であった。東野作品は、色々読んではいるのだが、実はガリレオ・シリーズは、『容疑者Xの献身』しか読んだことがなかったのだが、偶然にも、本作は時間的に『容疑者Xの献身』後の話であるらしく、前事件の後遺症から立ち直って「湯川」が再び捜査に協力する復帰作のようだ。他の東野作品と同様、安心して(=読後にガッカリすることなく)読める。

『熊王ジャック』は、外国が舞台で、あの動物記でお馴染みのシートンが主人公である。シートンにインタビューして、その間に起こる物語とクロスし乍ら、シートンが語る昔の物語が進んで行く。多少の叙述トリックも含まれた作。

『未来へ踏み出す足』では、対人地雷を除去するロボット(これには、多少SF色が感じられる)を開発したチームがカンボジアで実地テストを行なっている最中に殺人事件が起こる。所謂ミステリー色は少ないが、物語としては完成度の高い作品。(因みに香山に依れば、「論理的な謎解きの妙で読ませる」となっているが、個人的には、先ずロボットにリアリティが感じられず、そこに引っ掛かってしまい、そうは感じられなかった。)

『心あたりのある者は』は、所謂、学園モノ、と呼ばれるのだろう。高校生活の中の「日常の謎」解きの物語である。ああ云えばこう云う的な、論理の展開が楽しい。

『あなたに会いたくて』は、読み応えのある作品であった。盲目の主人公「ぼく」が、怪我をした状態で「きみ」に保護され、奇妙な同棲生活が始まる。やがて、「きみ」に恋し始める「ぼく」だが、唐突に「ぼく」は、家族らしい人々の元へ帰される。やがて、徐々に記憶の断片が戻って来ると・・・・。

『ラスト・セッション』も、構成的には面白い作品であった。ジャズピアニストの変死体が発見され、その右手の人差し指が切断されて行方不明になっていた。謎解きが進むに連れ、二転三転して物語は進んで行く。巧い作品である(が、ネタバレを承知で云えば、ブランクのあるピアニストと現役のピアニストの入れ替わりには多少無理があろう。それを無理なく思わせるべく、もう少し工夫が必要であったかな)。

『エクステ効果』も、近未来的SF要素のある作品である。エクステ(付け毛)をしに、2週間毎に美容院を訪れる客、その訳は?この作品も、SF部分の前提に付いて行けず、ミステリーとしては楽しめなかったが、物語としては面白く読めた。

『ホームシックシアター』のヒロインは経済的な理由だけで結婚をしているが、別居生活を良いことに自由奔放に生活を楽しんでいる。或る時住んでいるマンションの隣の部屋で殺人事件が起き、その第一発見者となる。事件を機にマンションの住人はドンドン減って行ったのだが、殺人事件のあった部屋に新しい入居者が入った。好奇心から隣人と接触するようになり・・・・。勢いで読ませるが、謎解き等のミステリー要素はない、どちらかと云えば、ホラーの要素が強い作品である。

本格ミステリーと広義のミステリーの両方が含まれたアンソロジーで、読み応えがあった。実は知っている作家は東野 圭吾だけだったが、他の作家の幾人かは他の作品も今後読んでみたいと思った。

でも、その前に、先ずは残りの7編が収められた文庫新刊を読むことにしよう。

Sun, Dec 05


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