北村薫は好きな作家のひとりです。
以前に落語家の『円紫師匠』と女子大生から社会人に至るまでの『わたし』が織り成すお話のシリーズが好きで読んでいました。もちろん、その他の作品も好きで読んでいましたが。
海外に住んでいる関係で、暫くは、北村薫作品とは遠ざかっていましたが、今年の直木賞受賞のニュースを聞き、先日、日本に帰省した際に久々に北村薫を数冊買って来ました。
と云っても、肝心の受賞作は単行本で重い(し、それに値段が高い・笑)ので迷った挙げ句買わず、文庫本ばかりですが。
知らずに買ったのですが、どうやらそのうちの2冊は、まさに、その受賞作に続く、新しいシリーズものでした。
時代背景や登場人物は全く異なりますが、円紫師匠とわたしシリーズを何故か彷彿とさせます。
第一作となるのは、街の灯。昭和初期の設定であり乍ら、主人公のひとりは上流階級の花村家の『女性』お抱え運転手の別宮(べつく)みち子。別宮の主な仕事は、もうひとりの主人公、花村家の令嬢、英子の学校への送り迎え。英子は二人きりの時は、彼女をベッキーさんと呼び、色々な相談事をする中でもある。故に、ベッキーさんシリーズと呼ばれているらしい。
このベッキーさん只者ではない。剣術に秀でており無頼者を追い払ったと思ったら、射撃の腕も可成りのもの。通学の行き帰りに、英子が相談に持って来る日常の謎に対し、的を得たヒントを控えめにさり気なく出して、英子の推理を正しい方向へ導いて行く才気。具体的な記述はないが、美人に違いない(笑)。
こう書くと、只のスーパーヒロインものかと思われるかもしれないが、そこは北村薫、ミステリーの要素は満載である。
街の灯には、「虚栄の市」、「銀座八丁」、「街の灯」の三篇が収録されているが、因に、英子はサッカレーの『虚栄の市』のヒロインにちなみ、彼女をベッキーさんと呼ぶ、と云う設定になっている。
個人的には、この中で、「虚栄の市」が、上に述べたベッキーさんの渾名のくだりもそうであるが、話の流れ上時代背景の説明の為に登場しているとばかり思っていた江戸川乱歩作品の記述が、後に実は謎解明の鍵となっていた、など工夫された構成が上手いと思った。
幸いシリーズ2冊目、『玻璃の天』は手許にある。只、未だ、勿体なくて読み始めていない。3作目の直木賞受賞作も買わなければ・・・。
今日のつぶやき:
Mon, Nov 02
- 23:36 PHI勝利。
- 21:13 labから帰って来たら、PHIが逆転してました。NYY 1 : 5 PHI
- 20:06 labに戻ります。
- 20:06 NYY先制点
- 16:59 ぁ”~あ”、どこに行ったんだ? P20のピペットマン??
- 16:32 根はどうなってんだ?根は? オーキシンの分布は? http://oneclip.jp/4Jd3zX
- 16:00 11,700年掛かって積もった雪が2033年までには消えてしまうかも。 RT @NatureNews The melting snows of Kilimanjaro http://ff.im/-aT6RF
- 12:31 そんな歌手知らん。誰? http://oneclip.jp/S0GOgy
- 12:10 アメリカからも見れませんけど(笑) RT @_xenopus_ なんだこれ。「海外向サイトである為、原則的に日本国内からはご覧になれません。」だと。 http://twitpic.com/o0fqj
- 03:11 中途覚醒中。
今日の瞬間最低体脂肪率: 24.7%
今日の万歩計: 7,033