植物には、一年草と多年草が見られるが、それは進化の過程で、より環境に適した生活様式を得る為、環境に応じて分化・進化して来た結果である。島などの隔離された環境に於いては、一年草の祖先から多年草の樹木へ急速な進化を遂げた例が多く見られる(そうだ)。この急速な進化がどのように起きるのか、その分子遺伝的なメカニズムは不明であるが、一年草と多年草の差は、それ程大きくないと思われる。ココでは大雑把に、草(草本)=一年草、樹木(木本)=多年草と云っている(が、実際は、草でも宿根草は多年草である)。
最近Nature Geneticsに発表された論文
で、その進化の鍵となるだろう遺伝子の報告があったので、ちょっと紹介。
植物の生長は、生体内の一部の細胞群、つまり、未分化のmeristemと呼ばれる分裂組織
(←っ
て、そのまんま、meristemの日本語訳ですが・笑)から起こる。つまり、植物が生きて生長を続ける限りは、meristemが活き続けている。逆に云えば、meristemが死ぬ時が、植物が死ぬ時である。木本では、第二次肥大生長により茎が太り、所謂、木になる訳であるが、この際の分裂組織は形成層と呼ばれ、側方分裂組織(lateral meristem)からなる。
花が咲く場合は、先ず、 茎頂分裂組織(shoot apical meristem)から花序分裂組織(inflorescence
meristem)への転換が起こり、更に、それが花を作る花分裂組織(floral
meristem)へ転換する訳だが、この際に、様々な遺伝子が働いてそのタイミングを調整している。
一年草のArabidopsisで、この花の咲くタイミングを調整している遺伝子が幾つか同定されており、例えば、SOC1とFULが知られている。此れ等のmutants、soc1では花の形成が著しく、fulでは多少、遅れることが知られている。
驚いたことに、此れ等のdouble mutant(soc1-3 ful-2)
は、種子の成熟過程で、花序分裂組織(inflorescence meristem)が、再び、 茎頂分裂組織(shoot apical
meristem)へ逆戻りに転換し、また、通常は種子成熟後枯れるべき個体が、枯れずに生き残り、更に、第二次肥大生長に依り茎が木質化すると云う表現型が観られた。
つまり、本来、一年草の花の咲くタイミングを調整している二つの遺伝子(SOC1とFUL)の働きが、共に抑えられたら、多年草の形質を示した云うお話。
可成り、端折ったし、例によって間違っているかもしれないので、専門家の方が居れば、訂正をお願いします。ぺこり。
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