エースが雑草であったのなら、
ぼくらは地上にも表れない廃材の
残留物でしょうか。
また憧れの人がユニフォームを
脱ぎました。
ひなたを歩み続けてきたのに、
自画を卑下するものの言い方、
捉え方。
ライバルは誰だったのかなって
思い巡らしましたが、それは、
自分自身の中の理想像との
戦いだったんですね。
一番の魅力は、ストレートでも
落差のあるフォークでもない。
テンポ。
あんなにリズミカルに投球を
繰り返していたら、どんなに
守りは楽なことか。
あんなにコンスタントに腕を
振り続けていたら、どんなに
自身の弱さは影を潜めるか。
引退した今日という日も
まだまだだなって、表情が
悔しさで滲んでいました。
いつか、満面の笑顔が
もう一度来たるよう、
また、憧れの人は、
険しい道を歩むのだと
そう受け取れました。
時にはキラキラ、
時にはぼろぼろ。
その両方を見せてくれたから、
語る言葉は見事に伝わってくる
生き様のものばかりでした。
本当にお疲れ様でした。