母に起こしてもらっては 

5時半発の電車に  飛び乗り

いやいや後輩を  捕まえては

ティーをあげさせる


100人の強豪チームが

4時間を練習にかけたなら

20人そこそこの俺らは

20時間分にもなるとはっぱをかけ



積み重ねたものに  自信を持ち

過ぎ去った  ただの一日も後悔しない



最後の夏

これで終わりだなと  内心安堵しながら

毎日の  人知れぬ苦労や  実はわかって

欲しかった影なる努力を  成果として

あいつの前で  あのこの前で

終わりにでっかい花火を打ち上げるべく



着いたグランドは  いやな雨

手汗と小雨で  ほんとはボールがすべる

そんなすべるなんて不安を 表に出したら


試合なんて  一網打尽にやられるから

クールな顔して はったりをかます


回を追うごとに  やべーまだ野球がしたい

もっとしたい   つらかったけど

もう泣きごとなんて  いいませんから

神様  どうか  あと一試合だけでも

野球をやらせてください  と祈る




その祈りが通じなかったから  今がある

けど あの過ぎた夏に  

あの たった数日の夏に

今の生き方の  すべてがつまっている



記念すべき第100回大会。

僕らの後輩が、選手宣誓の大役を

引き当てました。

そこには、周りの方々への感謝の

言葉がずらり。


栄冠に輝かれなくとも

思い切り奮闘して、

感謝をプレーに表して欲しいと思います。

選手宣誓、あっぱれでした。