今、没頭している事業があるとします。
その業界が競争の激しいレッド・オーシャンであっても、自分の業界における一般的な機能のうち、何かを「減らす」「取り除く」、その上で特定の機能を「増やす」、あるいは新たに「付け加える」ことにより、それまでなかった企業と顧客の両方に対する価値を向上させて競争のない未開拓市場、つまりブルー・オーシャンを探し続けることこそが、経営者の真の義務だと、改めてこの経営者を知って教えていただきました。
4坪ではじめたセレクトショップが今や、1200店舗。
適切なトレンドを適切に送り続けないと必ず市場から追放されるのアパレル業界の中で、主力ブランドの利益の3割を新規事業へ投入し、ユニクロとGUを足した店舗数よりも多い国内出店数を果たしている会社があります。
定番商品の在庫は少なめ、新商品は1日平均10種類に及ぶのも、この経営者曰く、「怖い」んだそうです。今売れているブランドがいつ売れなくなるか怖い。
きっかけとは些細なもの、あまりに売れない時期があって、本ばかり読んでいたそうです。その中で、松下幸之助さんが、「売れなきゃ掃除しろ」と。その後この経営者は、毎晩掃除をしたそうです。そこで見つけた従業員の手紙。「いつかこの会社は潰れる、ここの社長はバカだ」。これをきっかけに高級品をやめてリーズナブルに、奇抜なものをやめてベーシックにと逆転の発想ができたそうです。
この経営者の表情からは、発想を変えたことが成功のきっかけではなく、発想を変えられるようになった、人の話に耳を傾けられるようになったことこそが、躍進の要因であると言っていました。やっぱり、固定観念は捨てて、人の話はニュートラルに聞くべきで、やる前に「無理です」とか、「やったことありません」とかは、当たり前なんですが、御法度なんですね、凡人にもわかる経営マインドでした。