何年かぶりに実家のビワの木に実がつきました。
いつの間にかとても大きくなりました。
この木、
父が亡くなった次の年、
諸事情から切ってしまおうかと
話が出たことがありました。
でも、話し合いの合間にこの木を眺めると、
実を食べてしまう鳥を追い払うために
いつも父の使い古した傘がかかっていたこと
怒られて裸足のまま放り出されて
この木の下で
兄とどうやって家に入れてもらうか作戦を練ったこと
木から落ちたとき、
しっかり受け止めてくれたこと
いっしょに収穫しながらたくさん食べたこと
当たり前だったことが思い出になっていくんですね。
みんなそれぞれの思い出があふれてきて
全員一致でこの木を切る話は取り止めになりました。
もう切ろうという話は出ないと思います。
数年に一度、
気まぐれに実をつけるところも父っぽいんです。
もっと濃いオレンジ色になって
わいわい収穫するのが楽しみです。