何気なく借りたDVD。
『凶悪』
そして父になるのリリーフランキーさん、
あまちゃんでは寿司屋の大将を好演した
電機グルーヴ ピエール瀧さんが極悪な人
間を演じたのですが、
…… 僕が今まで見たり、聞いたりする悪を
軽く超越した、なんと言ったらいいか、
壮絶で強烈な最悪でした。。。
また、この映画、実話です。
また、この映画の舞台、茨城です。
当然、死体を運ぶ車は水戸ナンバー、
遺棄は城里、石岡、北茨城、
黒幕は日立、
家族からの殺害依頼は阿見、
まさに極悪のオール茨城みたいな
映画です。
実話を基に構成された脚本、
宇都宮で監禁された暴力団の手下が、
映画では2人、殺人及び未遂で
リンチされるのですが、
実際は4人だったそうです。
映画より恐ろしい実話。。。
恐ろしくて、
恐ろしくて、
観るんじゃなかった(泣)
個人的には、あまりサスペンスや
ホラーは観ないのですが、
クリント・イーストウッド監督の
ミスティックリバー以来の
この世の絶望を観ました。
『凶悪』(きょうあく)は2013年の日本映画。ノンフィクションベストセラー小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』(新潮45編集部編、新潮文庫刊、ISBN 4101239185)を原作とした社会派サスペンス・エンターテインメント映画であり、白石和彌監督の初の長編作品
でもある。
原作は、実際に起きた凶悪殺人事件「上申書殺人事件」を基に、獄中の死刑囚が告発した殺人事件の真相を新潮45編集部が暴き、首謀者逮捕に至るまでを描いた犯罪ドキュメントであり、2009年の文庫化で10万部を超えるベストセラーとなった他、2011年12月にはフジテレビ系バラエティ番組『奇跡体験!アンビリバボー』で紹介された
。
第37回モントリオール世界映画祭フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門に出品されることが決まった。
死刑判決を受けて上訴中だった元暴力団組員の被告人は自分が関与した複数事件(殺人2件と死体遺棄1件)の上申書を提出。元暴力団組員が「先生」と慕っていた不動産ブローカーが3件の殺人事件の首謀者として告発された。元暴力団組員に取材を続けていた雑誌『新潮45』が2005年に報じたことによって、世間から大きく注目されるようになり、「先生」が関与した1つの殺人事件について刑事事件化した。
元暴力団組員が上申書で告発したきっかけは、「先生」が首謀した殺人事件の報酬を受け取る約束について直前に別の刑事事件で逮捕・長期勾留されたことで「先生」に反故にされたこと、世話を頼んだ舎弟が自殺した際に舎弟の財産は「先生」の手により処分されたことであった。
- 石岡市焼却事件
- 1999年11月中旬に「先生」が金銭トラブルを巡ってネクタイで男性の首を絞めて殺害し、茨城県石岡市のある会社まで運び、敷地内の焼却場で、「先生」が新聞紙を丸めて火を付け廃材と一緒に焼いた。
- 被害男性は推定60歳代だが名字しかわからなかった。遺体が焼かれて残っていないだけでなく、身元確認も困難な状況となった。
- この事件で「先生」は「億単位の金」を入手した。
- 北茨城市生き埋め事件
- 1999年11月下旬に「先生」が埼玉県大宮市(現さいたま市)の資産家男性(当時70代)を水戸市の駐車場で拉致して「先生」の所有地まで運んで穴を掘り、北茨城市で穴の中に入れて生き埋めにして殺害した。男性の土地はいったん「先生」名義になった上で、その後売却した。
- 被害男性は特定されており、男性の住民票移動や土地登記の移動も上申書の通り裏付けられた。
- しかし、「先生」所有の土地で遺体が見つからなかった(「先生」が証拠隠滅のために、遺体を掘り起こして別の土地に移したという情報がある)。そもそも、被害男性は身寄りがないため、DNA鑑定しても本人確認が難しいという問題があった。
- この事件で「先生」は約7000万円を入手した。
- 日立市ウォッカ事件
- 「先生」が2000年7月中旬から借金を抱えていた茨城県阿見町のカーテン店経営者(当時67歳)を日立市内の事務所等で軟禁状態に置き、糖尿病と肝硬変を患っていた被害者に体調悪化を狙って、1ヶ月間にわたって大量の酒を与えた。同年8月中旬に「先生」の自宅で高アルコール濃度のウォッカを無理やり飲ませ、病死に見せかけて殺害。遺体を七会村(現城里町)に運んで遺棄した事件。8月15日に遺体が発見された。当初は警察から「事件性無し」と処理した結果、残された家族は生保会社2社から約1億円の生命保険金を手にしたが、大部分の保険金は「先生」たちによって山分けされた。
告発されていた3つの殺人事件の内、日立市ウォッカ事件が保険金殺人として刑事裁判となった。
裁判の結果、首謀者である「先生」は無期懲役、死亡現場に立ち会った元暴力団組員は懲役20年(別事件で死刑確定)、保険金殺人の依頼をした死亡者家族3人に懲役13~15年が言い渡された。また、死亡保険金が振り込まれた口座を不正開設した詐欺罪で死亡者家族2人が懲役1年執行猶予3年となった。
また、事件捜査中の2006年12月31日に、殺人事件の依頼を仲介したとされる工務店経営者(当時52歳)が交通事故死している。
劇中、雑誌記者に告白する死刑囚が、「先生」とはかかわりのない第四の事件を喋ってしまうシーンがある。「先生」を告発するのが目的なのに、うっかり目的外のことを喋る迂闊さに、記者と死刑囚は笑ってしまう。これは後藤良次が首吊り自殺に見せかけて知人を絞殺した事件を指すのだろうが、いったいどれだけ余罪があるのかとゾッとする場面だ。
映画は「先生」に関係のないこの事件までは収めきれず、笑い話で済ませてしまうのだが、そんな軽い扱いがますます怖い。
後藤と三上の犯罪をすべて取り上げたら切りがないからだろう。映画は事実を刈り込んでいる。
そもそも後藤良次が死刑判決を受けたのは、宇都宮市のマンションに男女を監禁して死傷させたからだが、被害者の男女四人を映画では二人だけにしている。しかも四人に対する仕打ちは映画以上に残酷だった。
事実を誇張してフィクションにする例はしばしば目にするが、映画化に当たって事実が矮小化され、にもかかわらずこれほど凶悪な事件が描かれたことに驚くばかりだ。