前々回放送の美の巨人たちは、

ヨハネス・フェルメール作

『牛乳を注ぐ女』。






オランダのとある日常生活を

描いただけの絵がなぜこんなにも

有名になったのでしょうか。



この作品の一番のポイントは、

「消失点」であると、評論家の

方はおっしゃっていました。



この作品、よく見ると、

「消失点」が、牛乳の注ぎ口近くに

あるのですが、







窓から薄暗い室内に透過された光が、








彼女を優しく照らし、








最終的には、

作品上、唯一の「動」である、

牛乳の注ぎ口に、誰しもの

視点が自動に移動していきます。





また、パンと器が置かれている

テーブルにも注目してください。







作品のバランスを考え、

四角形でないテーブルが描かれています。








たとえば、上の写真のように、

テーブルを四角形にしてみると、

どうやら手前の角が目立ち、

全体の調和がとれていません。



ですから、長年評論家の間では、

四角いテーブルをわざと六角形の

テーブルに書き替えたのではないかと

噂されていました。



ところが、近年の研究で、

このテーブルと同じ形の

六角形のテーブルが発見されました。







これが事実のようです。





また、作品の女の服装ですが、

写真ではわかりづらいのですが、

黄色、青色、赤(スカート)と、


かなりはっきりした色を

選択しています。








モンドリアンが得意としている

様々な色のコンポジションの

作品と似ていませんか。


この色合わせが、目の肥えた

評論家の方々から絶賛されているのです。





ちなみに、この作品の女、

パンと牛乳で、

パンプディングをつくっているそうです(笑)