「海よ、地球よ、貴様が狂ってる・・・」
県産のホウレンソウとパセリ、かき菜に対する政府の出荷停止措置が一部地域を除いて解除され、18日から出荷を再開した。停止期間は28日間に及んだ。その陰では、収入を経たれたホウレンソウ農家の男性が自殺する悲劇も起きている。
県南部のホウレンソウ農家の男性が自宅敷地内で焼身自殺したのは4日夕。県産ホウレンソウから基準を超えた放射能物質が検出され、政府から出荷停止を指示してから約2週間後のことだった。
妻によると、男性はホウレンソウだと毎月収穫し収入が見込めるため、畑の9割以上をホウレンソウ栽培に拡大した矢先だったという。
そのために必要なビニールハウスの材料費など銀行から借り入れていた。当面の生活費も入らず、補償の見通しも立たない中、男性はふさぎがちに。時折「自己破産するほかないのか」と不安を口にするようになったという。
収入が途絶えたため、妻はパートの仕事を探し始めた。「1人で畑を見切れない」と男性は反対した。が、妻は、出荷が再開されても風評被害などで収入は安定しないと考え、押し切ったという。
地元企業で事務職の採用が決まり、妻は4日に初出勤。夕方に帰宅し、再び男性と言い合いになった。突然、男性は家を飛び出し、焼身自殺を図ったという。
「出荷停止が自殺のきっかけだと思う。1人で抱え込んで、自分を追い詰めてしまったんだろう」と妻は悔やむ。男性は最後まで農家で生計を立てていこうと奮闘していた。(H23.4.19朝日新聞茨城版より)
県産のホウレンソウとパセリ、かき菜に対する政府の出荷停止措置が一部地域を除いて解除され、18日から出荷を再開した。停止期間は28日間に及んだ。その陰では、収入を経たれたホウレンソウ農家の男性が自殺する悲劇も起きている。
県南部のホウレンソウ農家の男性が自宅敷地内で焼身自殺したのは4日夕。県産ホウレンソウから基準を超えた放射能物質が検出され、政府から出荷停止を指示してから約2週間後のことだった。
妻によると、男性はホウレンソウだと毎月収穫し収入が見込めるため、畑の9割以上をホウレンソウ栽培に拡大した矢先だったという。
そのために必要なビニールハウスの材料費など銀行から借り入れていた。当面の生活費も入らず、補償の見通しも立たない中、男性はふさぎがちに。時折「自己破産するほかないのか」と不安を口にするようになったという。
収入が途絶えたため、妻はパートの仕事を探し始めた。「1人で畑を見切れない」と男性は反対した。が、妻は、出荷が再開されても風評被害などで収入は安定しないと考え、押し切ったという。
地元企業で事務職の採用が決まり、妻は4日に初出勤。夕方に帰宅し、再び男性と言い合いになった。突然、男性は家を飛び出し、焼身自殺を図ったという。
「出荷停止が自殺のきっかけだと思う。1人で抱え込んで、自分を追い詰めてしまったんだろう」と妻は悔やむ。男性は最後まで農家で生計を立てていこうと奮闘していた。(H23.4.19朝日新聞茨城版より)