2021年6月5日めぐろパーシモンホールにて、「クセナキスと日本~Xenakis et le Japon~」が開催されます。
そこではヤニス・クセナキスが作曲した打楽器6重奏曲、「プレイアデス」を18人の奏者で演奏します。
今回この記事を執筆しているのは、その「プレイアデス」の演奏メンバーの一人である悪原至です。
これから本番へ向けて、出演メンバーが順番にブログの記事を更新していくこととなりました。
50音順ということでトップバッターを任されましたが、この記事を皮切りにメンバーの個性あふれる記事が続々と挙がっていく予定です!
是非お楽しみください!
さて、かねてより準備・計画を進めておりますこの18人によるヤニス・クセナキス作曲の「プレイアデス」。
そもそもヤニス・クセナキスってどんな人?
という方も多いと思いますので、簡単に紹介します。
ヤニス・クセナキスはルーマニアに生まれ、ギリシャで育った作曲家です。
作曲家として活動を始める前は、戦争におけるレジスタンス活動を行っていたこともありました。
銃弾を浴びて瀕死の重傷を負ったり、戦犯として裁かれそうになりフランスに亡命するなど、まさに壮絶な人生!
そんなクセナキスが亡命先のパリで生きていくため選んだのは、なんと建築家としての仕事。
運よく世界的に有名なル・コルビュジェのもとで働き口が見つかったのです
こうしてクセナキスは建築家として働きながら、作曲家としても成功すべく研鑽を始めます。
建築家と作曲家。
一見すると全く違う職業のように思えますが、そこには一つの共通点がありました。
それはどちらも一つの作品を作り上げていくということ。
クセナキスは建築と音楽それぞれの分野で作品を作りつつ、建築で得た知識やインスピレーションを音楽にも取り入れながら活動を展開していきます。
そんな独特な経歴を持ったクセナキスが作った作品は、やはり個性的であり、ほかの作曲家の作品とは一味違います。
作品の持つ壮大さは、ときに一つの大きな建築物を見ているかのようであり、ときに銀河にきらめく無数の星々を眺めているかのうようです。
6月5日に演奏する「プレイアデス」もそんなクセナキスの最高傑作のひとつ。
どうしたらこんなに緻密、かつ大胆に作品を作り上げられるのか驚愕してしまいます!
この「プレイアデス」の魅力は、文章で簡単に書き記すことはできません。
6月5日にめぐろパーシモンホールにて、クセナキスの世界を体感していただけると嬉しく思います!