ロンハワード監督、トムハンクス主演 『天使と悪魔』


新宿ピカデリーにて鑑賞。



「ダヴィンチコード」ブームが凄すぎて

手を出していなかったのですが、今作はノリと勢いで鑑賞。

ところがどっこい、これが抜群に面白かった!


2時間半があっという間に過ぎていきます。

原作の巧みな仕掛けと脚本の密度の濃さ、編集のテンポの良さ

が絡みあって、極上のエンタテイメントに仕上がっていると思います。

これは最高品質なハリウッドムービーですな!




アメリカ映画が落ち目と言われていますが、どうやらそうでもなさそうだな、

と最近では思っています。


『ノーカントリー』や『ゼアウィルビーブラッド』『スラムドッグ$ミリオネア』等々

賞レース系の作品の充実は目を見張るものがありますし、

大作ものはたしかに愚作が続いていたけれども、『ダークナイト』と『天使の悪魔』で

軌道修正に成功しているように思えます。


むしろ、方向転換をするために

過去数年間の愚作の積み重ねがあったと言えるのではないか、と。

飛躍的な技術革新(主にCG、VFX)と、それに合わせた映像演出の方法論がようやく確立され、

複雑で哲学的な脚本にも耐えられるようになった。


こうなるとアメリカ大作映画は80年代の再来とはいかないまでも、

なかなかいいところまで復活するんじゃないかな、と楽観的な将来観測を立てておるのですが。

少なくとも、『ターミネーター4』は非常に楽しみです。


閑話休題。




宗教の問題、科学の問題、政治の問題、スリルとサスペンス、謎解き、アクション

正義と悪の転換に次ぐ転換・・・

とてんこ盛りにも関わらず、要所要所の見せ場とつなぎが適切で、

とにかく楽しめますぜ。


タイトル『天使と悪魔』は、最初は気に食わなかったんですが、

作品を鑑賞してみると、なるほど。いいタイトルだなぁと再認識いたしました。


久々にアメリカ大作映画を見直した一本でありました。



cozy


クリントイーストウッド監督最新作 『グラン・トリノ』


イーストウッド作品は、毎回劇場公開中の鑑賞を逃して、

DVDで鑑賞していたく感動し、劇場で見ておけばよかったと

後悔する傾向にあるので、今回は意気揚々、公開直後に

足を運びました。


が。うーん、もひとつ。


隣家との交流が始まるあたりのほのぼのした感じは楽しかったのですが、

イーストウッド流の「観客の良心を逆転させる重量感のある問い」

がイマイチ効いていない。

と、いうか、ありきたりなものとして埋没してしまっている。

最後のイーストウッドが出した結論も、

日本人の精神文化的には、まあ予測可能な範囲の結論なので

あります。

そこには、『ミリオンダラー・ベイビー』や『父親たちの星条旗』に見られるような

深い葛藤というものの存在感が希薄なのであります。


そして、助演のタオが良くない。

素人っぽい純な演出を意図したのかもしれないけれど

(抑制した演技のシーンでは成功してはいたけれど)、

迫真のシーンではただの素人にしか見えず、

一番心に迫るべきシーンで逆に白けてしまうという始末。


うーん、残念。


と、いうのも、相変わらずイーストウッドさんの演技は素晴らしい。

始終渋ヅラながら時々愛嬌を見せるキャラクターは

イーストウッド氏の得意とするところで、

その魅力が今作品においては前面に押し出されています。

しかしながら、その素晴らしさゆえに、

タオ氏の拙劣な演技とのギャップが目立ってしまっているという悲しさを

持ち合わせてしまっているのであります。

あーもったいない。



久々にがっかりした作品だったのでした。合掌。


cozy

コーエン兄弟監督最新作の

『バーン・アフター・リーディング』です。


新宿バルト9にて鑑賞。



CIA国家機密情報を巡って、

スポーツバカ、整形志願女、セックス中毒野郎、アルコール中毒者等々

の「アディクトなアメリカ人たち」が繰り広げるコメディ


というのが、大まかなあらすじですが、このあらすじはほとんど意味をなしません。

ネタばれを恐れて広く内容を伝えようとするとこのような形にはなりますが、

実際はコメディではなく、サスペンスに近いテイスト。

でも完全なサスペンスというわけでもなくて、社会派の色合いも含んでいます。


コーエン兄弟の作品は高校時代の自分にはいまいち理解できなかったのですが、

今ならその面白さが良く分かる気がします。

前述したような「ジャンル不特定」な違和感、コーエン兄弟の大きな魅力ではないかと。



この作品に登場するアメリカ人たちは一様に偏執な部分を持ち合わせていますが、

市民として日常を生活する分には、「普通の人々」であります。

しかし、湖面に投げかけた一石のように、彼らの行動は異常性を増してくる。


それがコメディとしての様相を呈してくると共に、現代人の悲劇としての性格も

帯びてくることになるのです。

ことに、ジョンマルコビッチ演じるCIA職員の悲哀と悲愴には胸が詰まる思いです。



就職活動中の時間潰しのリフレッシュに、と思って軽い気持ちで

客席に座ったのですが、思わぬ収穫でした。

オープニングとエンディングの映像/BGMがすばらしいです。



cozy