長いですが
履歴として

お品書きとお節の由来
料理長の黒瀧大介です。
京都で修行していた時に先輩方から聞いたお話やネットで調べたものを咀嚼して書き上げました。
僕個人の見解であり、からむしとしての見解ではありません。
1.数の子
塩漬けの数の子を呼び塩で一晩塩抜きし、薄口醤油を控えめに鰹出汁でつけました。
子孫繁栄を願って
2.栗きんとん
市場で11月に仕入れた栗をお節のために冷凍しました。栗は味醂と砂糖、クチナシの実で着色しています。
きんとんは金団。財宝という意味があります。色も黄金色ですね。
3.花百合根
百合根の芯の部分を飾り切りして蒸し、芯をくり貫いて薔薇のようにまとめてみました。塩味です。
4.伊達巻
伊達とはお洒落とかイケてるみたいな感じの物に呼称された呼び名です。玉子というのが贅沢なものでした。(江戸時代 茹で玉子一個が18文で450円でした)
しかもこれは黄金色で書物を連想させる巻物形態です。これを考えた人は凄いですね。
卵とはんぺんをミキサーで意図的に空気を入れ、油を多めに焼いて鬼すだれで巻きました。甘いものは二日目がおいしいです。
5.紅白かまぼこ
おめでたい席ではなぜか紅白ですが、お正月に適した諸説です。赤は赤ん坊。誕生を。白は花嫁衣裳。白は神聖さを表します。
何者にも汚されていないというイメージでしょうか
市松模様に飾り切りしました。既製品です。紀文。
6.助子旨煮
子沢山のスケソウダラのこっこ。ハサミを入れて加熱するとこのようにひっくり返ります。
7.鰊昆布巻
こぶは「養老昆布」喜ぶから来ています。不老長寿とお祝いの縁起物です。
ニシンを油が出なくなるまで下茹でし、薄目の早煮昆布で巻いてかんぴょうで結びました。三時間煮込みました。
8.黒豆
「実(マメ。豆と読む)に働く」で有名な黒豆の由来ですが中国の信仰では黒い色が邪気を払い不老長寿をもたらすと考えられていたそうです。
丹波産の黒豆です。砂糖とザラメ、1:1で八時間煮ました。
9.イクラ
鮭の卵です。筋子はこれをバラバラにせずに腹に入ってる時に直接塩を塗りこむそうですが
漁師さんの腕で味が違うという伝説が青森にはあります。柚子を器にしたイクラです。既製品です。
10.花蓮根
蓮根は穴があいており、まさに先の見通しがよい、将来は明るいというゆらいですが、お釈迦様の法話にも出てくるのでよろしいという説もあるそうです。
蓮の花は汚泥に咲く。このさまが娑婆で悟りを開く事に例えられて。
甘酢漬けです。茹で上がりに塩、甘酢へ。色素は紅麹です。
11.海老旨煮
海老のように長いヒゲをはやし、腰が曲がるまで長生きしますように。
贅沢にお酒で艶煮にしました。酒:味醂:薄口醤油が9:1:1です。2分でえびを引き上げて煮汁を冷やしてからもどします。
12.田作り
五穀豊穣を願い、 小魚を田畑に肥料として撒いたことから名付けられた田作り。
ゴマメが手に入らなかったため、既製品です。
13.ちょろぎ酢漬け
長老木と呼んで語呂合わせです。形には特に由来はない中国語の「朝露葱」を日本語読みにしたものだろうとされています。
シソ科の多年草のねっこです。
14.錦玉子
ニ色をにしきと呼んだとも言われています。この場合は金糸と銀糸のニ色です。
ゆで玉子を作り黄身に少し白身を混ぜて砂糖で味付けして裏ごしします。細工してからもう一度蒸し器で馴染ませます。
15.紅白菊蕪
蕪は芯の部分を四等分してから丸く剥きました。塩に漬けてからアク抜き、甘酢漬けです。金時人参、菊で花弁を表現。
16.紅白なます
慶事の水引をイメージ、魚介類を除いてこの紅白になったそうです。本来の意味は正に膾。容器が別に入っています。重箱には入っていません。
17.蛸柔らか煮
当店の推し品です。「おせちにあまり関係ないが入っているローストビーフ」の当店版です。
活蛸を叩いて塩もみし、圧力鍋で40分、みりん薄口鰹出汁でさらに味を追加しました。
18.叩き牛蒡
牛蒡 その根の深さから、その土地に深く根を下ろし未来永劫の繁栄を願います。巷のレシピでは美味しくならないので改良しました。
10分ほど煮込んだ後、一旦引き出し叩いた後にすり胡麻、砂糖と酢が一体化するまで煮込みました。30分ほど。香りがヨーグルトのようになります。
19.銀鱈西京漬け
おせちでは出世魚のブリなのです。しかし、ブリは霜の入り方があまり良くなくて一旦冷えるとイマイチなので
銀鱈西京漬けに変えました。
20.鮑柔らか煮
のし鮑から。乾燥させた鮑を伸ばした物。伊勢神宮で鮑が天皇家に献上されました。
11代目の四女だそうです。海老と同じ割合で艶煮にしました。7分ほどで煮上げるとやわらかくなります。
21.サーモン奉書巻き
白い野菜の桂剥きで包まれた料理を奉書巻きと言います。帝からの勅命の命令書などが奉書だったそうです。
巻物を模した形。大根は甘酢漬けです。
22.お煮染め
里芋六方
親芋に小さな小芋が沢山付く様から繁栄を連想させる縁起物です。根気よく粘りがあるとも。下茹でししてから一番だしで炊きあげました。
23.亀甲しいたけ
亀のように長生きできますように。
24.胡麻麩、よもぎ麩、梅麩
京都の生麩を油で揚げました。食感が良いです。
27.松笠慈姑
てっぺんから芽が出ている様がまさに「芽が出る」縁起物です。松ぼっくりの飾り切りを施して油で揚げ、一番だしで旨煮にしました。
28.木の葉南京
国産のかぼちゃを甘く炊きました。味醂と薄口醤油です。
29.ねじり梅
金時人参に砂糖、味醂、薄口醤油、油を入れて。結構長く炊きます。30分ほどで甘くなります。
30.牛肉としらすの佃煮
京都で修行した際に覚えてきました。ご飯に載せて熱いほうじ茶をかけてお茶漬けにするととてもうまいです。