BOWIEの記憶を辿って
BOWIEの記憶を辿って
早いもので、本格的にボウイを聴き始めて30年以上経ってしまいました。
今年は没後5周年ということで、年初から
ROCKIN' ON 2月号が64ページの特集を組むなどかなり盛り上がっています。
今回は私の昔のボウイ体験を思い出し、できるだけ当時感じた心境をそのまま書いてみたいと思います。
私が一番最初にボウイを知ったのは高校2年の時(1983年)です。雑誌で特集されていたボウイの過去の写真を見ると他のアーティストより、アルバム毎の風貌が大きく違い、 これが私には子供時代の変身ヒーローみたいに映りました。(笑)
当時、Let's Danceが流行っており、私と同じようにボウイのそれ以前のアルバムは知らないという境遇の人は多かったと思います。1983年のLet's Danceと戦場のメリークリスマスによって形成されたボウイのイメージは今でも鮮明に残っています。ただ当時、ローリング・ストーンズに夢中でしたので、Let's Dance1枚のみで過去のアルバムを聴くのはもう少し先になります。
次にテレビCMでT.REXのGet It Onや隠れた名曲Main Man等が流れていたのでボウイより先にマジカルな魅力のT.REXのアルバムを聴くようになります。マーク・ボランって魔法使いかな?的なノリですね。(笑)
ボウイがNever Let Me Downをリリースした辺りから自分のRCA EXPERIENCEが始まります。これはロック・ディスコグラフィーのT.REXのページ近くにボウイのページがあり、過去のアルバムの解説を読み、本格的に関心を持ち始めました。
今から考えると意外に思える事ですが、1987年の後半位からボウイのRCAのCDの入手が難しくなってきます。ボウイのバックカタログの権利に対する法的措置によるものと思われますが、CDの供給が需要を上回っていない時期だったため、結局それがアナログ盤LPにまで波及し高値になっていた時期がありました。
1988年はボウイの目立った活動が無かった上にレコード店の棚にあるのはいつもEMI時代のLet's Dance~Never Let Me Downの3枚だけでしたから、非常に寂しい思いをした記憶があります。(笑)
そして1989年の後半から米RYKO社による本格的なリシューが始まります。
これは初めてボウイの監修の下、出されたシリーズで自分にとって一番インパクトがあったと思います。現在のシリーズの方がパッケージも音源的にも当然優れてるわけですが当時、自分が受けたインパクトを超えることは無いですね。
ボウイの一連のアルバムが地続きになっているのに気付いたのはAshes To Ashesを聞いた頃なので、かなり早い時期だと思います。
それからボウイの小宇宙を度々訪れて、徐々にその隠されたコンセプトに気付いていきました。ボウイが雑誌のインタビューでヒントめいたことを言うのも参考になりました。過去の記事には書けなかったかもしれませんが、RCA時代の流れは中期に大きく展開して、後期原点に帰っていくビートルズのアルバムの順序を参考にしたのではないか?と思ったりしています。
小説の起承転結のようなコンセプトは今日も続いており、好評だった回顧展「DAVID BOWIE is」を振り返ると透明人間にでもなったボウイが出身地であるロンドンを皮切りに世界中をラストツアーし、居住地であるニューヨークで終わるというコンセプトでしょうか。最初アメリカはシカゴだけと思っていたのでニューヨークの地下鉄に登場したボウイを見た時は驚きとともにその完璧なコンセプトに関心してしまいました。
私は昔、ボウイの新しい本が出る度、こういうコンセプトについて書かれていないか常にチェックしてました。(笑)
(2021年1月8日リリース)
David Bowie - Tryin’ to Get to Heaven
(2021年1月8日リリース)
10曲リストアップしてみました (2)
CHRIS REA/Looking For Summer 1991年
全英49位。1978年デビュー。日本ではCM使用された「On The Beach」のAORのワンヒットワンダーと思われているようですが、渋い喉とスライドギターの名手でイギリスと欧州では絶大な人気を誇っています。私は90年代前半のアルバムまでは大体押さえてますが近年はジャズへ接近しているようです。ボウイ関連としてはDAVID RICHARDS(布袋寅泰、QUEEN)が彼の3枚のアルバムをプロデュースしています。
THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE/Red House 1967年
1960年代中期、ロックファンの何割かはビートルズと対をなすリフ主体のハードなサウンドに飢えていたと思います。その需要をいち早く読んだ者が勝ちだと思うんですが、その系譜を独断で選ばさせていただくとTROGGS→このジミヘン→JEFF BECK GROUP→LED ZEPPELINとなります。最後にツェッペリンが一番美味しい部分を持っていったような気が。(笑) TROGGSの国内盤とかは聞き込まれていて状態の良いのが少ないんですね。(笑) この曲はブルースとハードロックを同時に楽しめるスリリングな一曲。
音源が見つからなかったのでカバー曲になります。ご了承ください。
全米71位。KRAFTWERK?でもちょっと違うような。(笑) かなり長い間、曲名が分からなかった曲で、ジャンル分けをするとジャズになるのも長い間分からなかった一因かもしれないですね。BILL LASWELL率いるMATERIALの全面バックアップによる意欲作というより、ジャズ・プレイヤーにしたら相当な冒険だったはず。当時、誰も知らなかったスクラッチを多用したエレクトロ・ファンクはヒップホップ・シーン、後のターンテーブル文化に大きな影響を与えました。アルバム・タイトルは『Future Shock』。
THE BARRY GRAY ORCHESTRA/Captain Scarlet 1967年
20世紀の終わり頃、『The Avengers & Other Top Sixties TV Themes』という1960年代のイギリスのTVテーマ集を聴いて面白いと思った曲です。60年代のブリティッシュ・ビートそのままのノリと独特の不思議な浮遊感は60年代のジギー?(笑)
先のシリーズ第3弾『The Persuaders & Other Top Seventies TV Themes』からで元は仏歌手Charles Aznavourのヒット曲で1999年のジュリア・ロバーツ主演の『ノッティングヒルの恋人』主題歌のELVIS COSTELLOヴァージョンが一番有名でしょうか。このヴァージョンは英テレビドラマ「Seven Faces Of Woman」(1974年) の英ピアニストRUSS CONWAYによるレアな主題曲です。
10曲リストアップしてみました (1)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200408/17/xaraxxstra/35/84/j/o1080108014740598262.jpg?caw=800)
私はコロナと同じ位、明快でない政府の経済政策が恐ろしいです。いつも諸外国には気前良くポンみたいですが。
家に居る時間が長くなりそうなので、思い付くまま10曲リストアップしてみました。
CHRISTPHER CROSS/Arthur's Theme (Best that you can do) 邦題 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 1981年
ニューヨークも今、大変なことになっていますね。患者は爆発的に増加、医療機関の懸命の努力で、今のところ医療崩壊は免れているようですが。この曲は1981年の映画『ミスター・アーサー』の主題歌で全米1位。今回、久々に聴いて初めて歌詞を見たのですが、邦題のせいか自分の思っていたイメージと違ってたような。(笑) バラードでありながら、跳ねるような力強いリズムが大好きです。今の時期、ニューヨークは20時位まで明るいんですよね。
LOVE SCULPTURE/Sabre Dance 邦題 剣の舞 No.1 1968年
1967年のPROCOL HARUMの「青い影」の世界的ヒット以降、二匹目のどじょうを狙おうと(失礼!)クラシックをロック風にアレンジした曲が多数登場。この曲は後のパブ・ロック/NEW WAVEシーンで活躍するDAVE EDMUNDSによる大胆なガレージ&ハードロック風アレンジで秀逸に仕上がっています。アルバム用の11分超のロング・別ヴァージョンもあります。全英5位。
GRAHAM CENTRAL STATION/Pow 1978年
チョッパー・ベースの第一人者LARRY GRAHAM率いるGRAHAM CENTRAL STATION、私はこの曲を初めて耳にしたのがレコード店で即、定員さんに確認してアナログ盤を買ってしまいました。中間部の40秒超のチョッパー・パート、 これを気に入らない人は居ないと思いますが、YouTubeでも多くのベーシストがカバーによる腕前を披露。まぁ、真似したくなりますよね。(笑)
「碧の館」か「ギター弾きを見ませんか」をセレクトしたかったんですが、YouTubeの邦楽は管理が厳しいですね。「異邦人」の大ヒットから約10年後、同曲の入ったCDくらい所有しておかないと入手し、他の曲を聴いて驚いた覚えがあります。日本のアーティストでは唯一無二のような異国情緒を感じる歌詞、アレンジ。今ようやくレコード会社、音楽ファンはそのクオリティの高さに気付いたという感じです。
AL STEWART/Year of the Cat 1976年
1960年代から活動する英シンガーソングライターで日本ではUK FOLKかAORのジャンルでしょうか。ALAN PARSONSによるプロデュースでABBEY ROAD STUDIOで録られた音はストリングス&スパニッシュギターで欧州ぽい雰囲気を出してます。全米8位。アルバムのカバー・デザインはHIPGNOSIS。現代的なプロダクションのF.R.DAVIDのヴァージョンも良いと思います。