「で、なんで野営地に入ったんだよ。ここに決めたのはなんで?」

とりあえず、瞭に聞いてみる。

「うるさいわね」

相変わらずとげだらけの返事。

「便利なの! お庭も持てて広いのよ!」

「……それだけ?」

野営地にはこんなメリットがあって、とかじゃねえのかよ! 
……知ってるわけないか……。

「あんた、一人でこれからやっていく? できるわけないでしょ」

「……!?」

返事に詰まった。

なんでこう、あっさり黙らされるかな?
こいつ、何にも考えてないはずなのに……。

「帰る」

おれが何を言う間もなく、瞭は自分の家へと姿を消した……。