Mister Cellophan / Chicago


もしも誰かが人ごみの真ん中で
声を張り上げ叫んだら
手足をじたばた振りまわしたら
あんたはきっと気付くだろう


もしもそいつが映画のなかで
「火が燃え移ったぞ!
ここら一帯は火薬庫なんだ!」
そう喚いたとしたら
あんたはきっと気付くだろう


ニワトリみたいに鳴かなくたって
たいてい気付いてもらえるさ
ただしそいつが、
目に止まらない、取るに足りない、
俺のようなやつでなければね


セロファン、ミスター・セロファン
俺をそう呼べばいい
ミスター・セロファン
隅から隅まで眺めても
すぐそばを歩いても
だれも俺には気づかない


そう、俺はセロファン
ミスター・セロファン
そう呼べばいいさ
ミスター・セロファン
隅から隅まで眺めても
すぐそばを歩いても
だれも俺には気づかない


あんたが誰かの家で飼われてる
子猫ちゃんだったとして
魚を食べさせ、耳を掻いてくれる奴がいりゃ
きっとそいつに気付くだろう


もしもあんたが奥さんだったとして
七年間ダブルベッドで一緒に寝てる男がいたら
もちろんそいつに気付くだろう


人間は空気じゃない
それなりの大きさがありゃ、そいつがそこにいるってわかる
ただしあんたのそばにいるそいつが
印象に残らない、特徴のかけらもない
誰かさんでなければね


俺をそう呼べばいい、ミスター・セロファン
隅から隅まで眺めても
すぐそばを歩いても
だれも俺には気づかない


そう、俺はセロファン、ミスター・セロファン
そう呼んでくれよ
ミスター・セロファン


隅から隅まで眺めても
すぐそばを歩いても
だれも俺には気づかない
絶対に気付かない




原詞 (Lyricwiki)