夏休み前半におこなわれた、ある子ども木工教室での光景です。
そこでは、ロケット、ロボット、自動車、船、家、城などの木工用キットが用意されてい
ました。

子どもたちは、その中から自分が好きなものを選んでボンドや釘などで組み立てます。



自分でできる子なら親は近くで見守ります。
ひとりでは難しい子は親子で一緒に作ります。

2年生くらいの男の子が自動車と家のどちらにしようかと迷っていました。
両方のセットを見て「う~ん、う~ん」と言いながら考えています。



それを見ていたお母さんが、「早く決めなさいよ。何をぐずぐずしてるの?」と言いまし
た。

それで、男の子が家の方を持とうとしました。



すると、すかさずお母さんが「あんた家を作るの? 女の子ばっかりだよ、家を作ってる
のは。見てご覧」と言いました。

たしかに、家や城を選んだのは女の子に多いようでした。
それで、その男の子は家のセットをおいて自動車のセットを手に持ちました



●口を出し続けるお母さん



男の子が自動車を作り始めてからもお母さんは黙っていません。
「そうじゃないでしょ。はじめに平らな板をおかなきゃダメでしょ」

「それはそこじゃないでしょ。何やってるの? もっとよく考えて」
「部品を全部並べてから始めないから、そうなるのよ」

「ほらほら、左手でしっかり押さえてないからずれちゃうんだよ」



「自動車なんか選んで、タイヤのところが難しいってわからなかったの。ロボットの方が
よかったでしょ」

「ボンドが多すぎる。それじゃあベトベトしちゃうでしょ。塗る前にちょっと減らさなき
ゃダメでしょ」

「もっとがんばらないといいのが作れないよ」



●同じことをしていませんか?



当然のことながら、男の子はだんだん元気がなくなってきました。
何かする前に必ずお母さんの方をちらちら見るようになりました。

「これでいい? 間違ってない?」という感じです。



見かねたスタッフが「お母さん、ちょっとこちらで見守っていましょうか」と言って、お
母さんを少し離れたテーブルに連れて行きました。

お母さんは……