12日、京都・祇園で発生した乗用車が歩行者を次々とはねた死傷事故、車を運転していた男性はてんかんの持病があることが報道されている。事故発生の2日前となる10日、小川敏夫法務大臣が危険運転致死傷罪の法改正に関する考えを述べていた。
大臣の発言は、2011年4月に発生した栃木県鹿沼市クレーン事故の遺族が、危険運転致死傷罪の適用範囲にてんかん無申告の運転免許不正取得者による死傷事故も盛り込むようにとの要望書を提出したことを受け発言したもの。遺族が集めた最終的な提出署名数は、刑法の条文改正が17万0829名、運転免許交付制度の改正が16万7398名であった。
以下は、法務省のウェブサイトに掲載された記者会見の概要。
………
記者:昨日,栃木県鹿沼市クレーン事故の御遺族の方がお見えになって,危険運転致死傷罪の適用範囲にてんかん無申告の運転免許不正取得者による死傷事故も盛り込むようにとの要望書を手渡されました。
危険運転致死傷罪に関しては,元々は,交通事故遺族からの強い要望で創設された条文ですが,適用をめぐっては慎重な適用が多いかと思われます。一方,罰則強化をすると道路交通法との兼ね合いでひき逃げといいますか,逃げ得を許してしまうのではないかとの指摘もあります。法改正の是非も含めて大臣の御見解を伺えればと思います。
大臣:危険運転致死傷罪を導入する際にも,随分と議論があったわけですが,その際には,国会の議論の中で附帯決議等で厳格な運用をということが言われていいました。
最近出てきている現象の中では,危険な行為というものは千差万別でいくつもあるので,その中で危険運転致死傷罪を適用する4つの類型だけを取り上げている関係で,同程度に悪質でありながら,4つの類型に入らないから危険運転致死傷罪が適用されないというような構造的な問題があると思います。
ですから,本来,それまでは過失犯ということで事件処理していたものが,法改正を行うと故意犯に近い量刑になってくるということの問題点もありますので,今すぐ法改正を行うとは言えないと思います。
しかし,実際に,危険運転致死傷罪に規定されたこの類型と同じ程度に悪質な態様でありながら,一方で法が適用され,他方で適用されないという現象が起きてますので,これはこの法の背景も踏まえて検討する必要があるのかなというところです。
今,どういう方向にという方向性を私の方で説明できる状況ではありませんが,そういう問題意識を持っているということで御理解いただきたいと思います。
