人生で幸せだった瞬間ベスト3を選ぶとしたら
「父を看取った瞬間」
が入ると思う。





夏の終わりも近づく水曜日、わたしは複雑な思いを抱えながら会社に出勤していた。



その日の朝、お母さんに、
「お父さんが週末を越えられるかわからない」
と言われて、兄弟3人で絶句したばかりだった。

お母さんはその日の仕事が終わったら、午後から週末まで休みを取って病院に泊り込むと言い出した。




私も休みを取ろうか、でも1年目だからあまり有休ないんだよな。。。
そんなことを思ってたら、電車に乗ってるあいだにお母さんから連絡が。

「病院から連絡があったから、予定より早く病院に行く」



私は動転して、どうしたらいいかわからなかった。
すぐ来いとは言われなかった。
容態が急変したとかそういうわけではないけど、何か変化があったみたい。


わたしも行くべき?
どうしたらいい?




迷っていた背中を押したのは、思いもしなかったけど、彼(今の旦那)だった。

「俺、今日から週末まで休み取れた。いつでも行けるよ。」

当時まだ家族でもなかったけど、半同棲状態だった彼の方が先に決断し、休みを取って待機していると言う。




何やってるんだ、私は。



ようやく決心がついて、お昼休みに会社を早退。
急ぎ足で帰ったら、彼がすぐに車を用意してくれて、二人で病院に向かった。


車の中で、何故かお腹がすいて、涙ぐみながら、そして妙に冷静な自分に対して笑いながらお弁当を食べた。
長丁場になる気がしてた。







ただの回顧録なのに長くなってしまったのでつづきはまた今度。