2020年9月24日
午前10時40分。

男の子が生まれた。

これは私の記録。



あなたがお腹にいるとわかった日から、色々あったね。

あなたの存在は、喜ばれ、歓迎されるべきだったのに…
命を授かったことを、否定されるような物言いや、それによるストレスを、感じさせてしまっていたのではないだろうか。

大事な妊娠初期。

あなたは悪阻もほとんどなく、とても親孝行で…
私はあなたを守りたい一心で、あなたの存在を隠すかのように通常の倍の仕事をしてきた。

それでもお腹にしがみついていてくれた。


あなたが生まれる環境を、居心地の良いものに準備しておいてあげたかった…

ごめんね。
わだかまりの残る中、あなたは、いまだと思って生まれてくれた。


思っていたよりもずっと苦しかった陣痛。
産声をあげるあなたがお腹に乗せられ、隣の保育器に寝かされ…
あまりの痛さのせいか、あなたを見ても、私のお腹から生まれたことがどこか信じられずに、実感が湧かずにぼうっとしていだ私。

コロナで立ち合いができず、家で待機してくれていた夫が駆けつけてくれ、あなたと2人の姿を見た時…

初めて、涙が溢れた。

母がはじまった。




お腹にきたタイミング…
あなたはちゃんと選んできた。
そう信じられることがたくさんあった。

予定日より早い出産だけど、あなたは、いまだと思ったのよね。


今日は助産師さんのところにいるあなた。
明日からは母子同室ね。


名前はパパがつけたよ。
お腹にくる少し前に、赤ちゃんほしいねと話していて…そのときパパが考えたの。



心地よくない言葉、雰囲気を感じさせてしまうかもしれない。
だけど、私もパパも、あなたを愛しているからね。
あなたの誕生を待ち望み、祝ってくれるひとも、確かに、いるからね。

きっとあなたは、分かっているよね。



生まれてくれてありがとう。

私たちに、父と母になる道を与えてくれてありがとう。


あなたが選んでくれた私たち。
この世界であなたを誰よりも愛おしく思う親になれるよう、がんばっていくからね。


どうかこの気持ちを、いつまでも、私の原点にしていけますように。



母がはじまりました。