大きな会場で、偉い方々が集まって。
その隅っこで、にこにこしながら動き回る。
今日は、そんな日。

偉い方々。

そのひとりが、私の父。

だから、紹介されたりする、偉い方々に。
好き勝手言ってくれる方々に。
私の幼少期を知っていようがいまいが、私の知ったことではない。
ただ、飛び出してくる言葉の数々に、笑っていればいい。
失礼のないように。
出しゃばらないように。
とっても良い娘。そう取られるように。
そんなこと分かってる。

分かってるけど、私の心の内には悩みがあるわけです。

いつまで経っても娘の結婚に向き合おうとしない父。
自分がすべての主導権を握っていると思っている父。

そんな父に辟易している私。


あなたの小さな頃を知っているのよ、大きくなったわね、結婚してないの?そろそろでしょ??


よくもそんなに次々と出てくる…と思う言葉の数々に。
目の前で笑いながらそこに居る父に。
もうどこまで何を返したら良いのか分からなくて。
そうですね、そろそろ。
そんなことを思わず返してしまえば、どこに住んでいるんだとかなんとか、根掘り葉掘り…
修行してるんです、うちで。

それが父の逆鱗に触れた。


おまえ、●●先生に話しただろ。
あれダメだ。気をつけろ。


すみませんでした気をつけます。

顔見て言えなかった。


社会的な場で私の言動は幼過ぎた。
それは分かった。私の経験不足だ。


でもね。


結婚したい気持ちに気付いていながら父として向き合わなかったくせに何なんだ、そう思ってしまうの。
おまえ?
その呼び方にも横暴さを感じてしまう。
日頃から私の思いに気持ちを傾けてくれていれば私だって、冷静だったかもしれない。

ふざけないでよ、いい加減にしてよ。
もう、もう嫌だ。



それしか浮かばない





否定の言葉は聞きたくない。