昨日、実家で飼っていた、犬トト(雑種、♀)が死んだ。
享年16歳だった。
人間で考えれば、大往生だろう。

最後は近所の公園の池にはまって死んでいたところを発見されたらしい。
晩年のトトは白内障で目もほとんど見えず、耳も遠い、頭は痴呆、鼻もほとんど壊れていて、犬としての機能をほぼ失った状態だった。
おそらく目を離した隙に家から抜け出したものの、自分の帰るべき場所もわからなくなり、そのまま池に落ちたのだろう。最期が溺死なのはあまりにも不憫な気がする。。

トトがやってきたのは、今から16年前だ。生後すぐにうちにやってきた。
とにかく臆病で、人を寄せ付けない性格の持ち主だった。感情の起伏はほとんどなく、尻尾を振っているところはあまり見たことがない。ただ、我々家族が帰ってくると必ず、玄関の前で座って待っていたものだ。
特に吠えるわけでもなく、尻尾を振るわけでもなく。。。

トトの世話はもっぱら母の役割だった。
母には時より、ほかの家族の人間には見せない表情を見せていた記憶がある。

トトの死は私よりも母にとっては大きなショックだったに違いない。

生あるものはいつか死ぬ。
それがたまたま昨日だっただけだ。

うちの犬、トトは我々に何を残してくれたのだろう?
ちょっと考えてみる。
当たり前に存在していたものが、なくなった瞬間にその意味を考えさせられる。