小室哲哉×I.N.A.「hideがいてくれたからこそテクノロジーが追いつけた」 | Xひっそり宣伝†応援-Miracle-

Xひっそり宣伝†応援-Miracle-

X JAPAN完全復活したから応援したい!力になりたい!
けど…目立ちたくない(苦笑)
たまたまこのブログを見てX JAPANという偉大なるバンド
を好きになっていただけたら嬉しいです。
結構未熟者です‥けど応援させてください。

12人が語るhide:小室哲哉 × I.N.A.
「hideがいてくれたからこそ
テクノロジーが追いつけた」


ローリングストーン日本版 1月10日 17時0分配信

特集:
12人が語る普遍のクリエイティビティ
Chapter 10 
小室哲哉 × I.N.A. hideが進化の入り口
にいてくれたからこそテクノロジーが
追いつけた


かつてhideが自身の音楽を称した
PSYBORG ROCK(サイボーグロック) 」という造語は「人間のグルーヴを
機械で切り刻み完全制御する」という
定義の基にある。
それは当時行われていた音作りの
方法論のひとつであったというが
後にその言葉は独り歩きを始め今や
邦楽シーンにおける最新テクノロジー
を用いたロックの代名詞となっている。


ボーカロイドの技術を基に、hide
右腕的存在であるI.N.A.のプロデュース
ワークの融合により完成した奇跡の
新曲「子 ギャル」3DCGライブホロ
グラフィック公演などの新しい試みを
通じて人々に強く息づいている。

もしhideが現代にいたら、この進化を
どのように見て、楽しんだのだろうか。
また、その先の未来をどう見据えたの
だろう? 

hideと長年音楽制作をしてきた
共同プロデューサーのI.N.A.
テクノロジーを用いた現代音楽の立役者
である小室哲哉が「PSYBORG ROCK
と「テクノロジー」をキーワードに
想像を膨らませながら語り合った。


I.N.A.PSYBORG ROCKが具体的に
どんな音楽かというと、90年代の
インダストリアル系の音をプロ
トゥールスを使って編集していくよ
うな、いわゆるデジロックの類ですね。
当時、日本でそういう音楽を取り入れ
ている人はあまりいなかったのと
一般的に言われているデジロックとは
違う、hideオリジナルのサウンドだと
いうことを含めて PSYBORG ROCK と
言っていました

─生音を録って、PCに取り込んで編集
するといったような?

I.N.A.そうですね。“打ち込みと生音
をどうやって共存させていくか”とい
う課題に対してミュージシャンたちが
何十年も試行錯誤してきているなかで
ロックというカテゴリで打ち込みと
生音を融合させた、ひとつのサウンド
を確立することが出来たかなと思って
います。

─取っ掛かりは何だったんですか?

I.N.A.ソロデビューが93年で、音自体
は92年くらいから作り始めていたんで
すが、その当時デジタルパフォーマー
という4トラックのハードディスクが
出たばかりで、それを使ってプリプロ
したり、曲を作ったりしてたんです
よね。彼が新しいもの好きだったので
そういうコンピュータを使った作業を
早い段階からしていて。
そこから始まって、テクノロジーの
進歩とともにやり方もどんどん複雑に
なってきて……といった感じです

─なるほど。

小室たぶんその頃だったと思うけど
LAでケミカル・ブラザーズのライヴを
観に行ったんですよ。
そうしたら、たまたまhideも来ていて。
あまり面識はなかったので話しはしな
かったけど、“あ、こういうのも見る
んだ”って思いましたね。
当時デジタルを使ったロックがシーン
が盛り上が始めた時代だったんですけど
最新の感覚を持ったhideがいたからこそ
X JAPAN(以下X)の音楽も幅が
広がったんじゃないかな

I.N.A.確かに、hideがデジタルサウンド
に目をつけはじめてから当時作っていた DAHLIA』あたりからXのサウンドに
もそういった要素を取り入れていった
ように思います

─当時の日本の音楽シーンで、その
ジャンルのポテンシャルってどのくらい
だったんですか? 

I.N.A.まずロック自体がチャートに
上がっていなかったですし、さらに
デジタルな音と融合したロックは
なかなか馴染みがなかった時代ですね


小室ただ、Xがそっちのサウンドに
シフトしてきたところで確実にチャート
も上位に入ってきましたからね。
コアなファン層の後押しもあったかも
しれないですけど、日本でも受け入れ
られ始めた頃だったのかも

─そもそもアーティストたちはテクノロ
ジーで音楽に何を注入しようとしてい
たんですか?

小室ミニマル(・ミュージック)と
呼ばれていますが、限りなく正確な
テンポとリズムを求めた人たちがいた
んですよ、昔から。
これはランニング・ハイに近いと思う
んですけど、単調なフレーズを反復さ
せると、だんだん音がループして気持
ち良くなってくるんです。
それをやるには人力では限界があるの
で、そこに気持ちよさを見出した人こ
そテクノロジーを求めたと思います。
例えば、ヒップホップの人たちが早い
段階からリズムマシンを使っていたの
も正確なリズムの上に乗っかる気持ち
よさを知っていたからだと思うし
モータウンのドラマーがハイハットを
一生懸命チキチキ刻んでいたのも
そういったものを求めていたから
じゃないかと思うんです

I.N.A.僕たちもそういった正確な
ビートの繰り返しっていうのを生音で
作りたかったんですけど、その時代の
テクノロジーではまだそこまでできな
くて。
その後プロトゥールスが出てきて生音
を切り刻んでループにしていくという
のがマルチ上でできるようになりまし
たけど

小室その入り口となったのが
ローランドのTR-808や909ですね。
この2台のドラムマシンが全世界で
何億枚のヒット曲を作ったかわからな
いくらい。
それを自宅に置いてポンとスタート
して、上にギターとかピアノを乗せて
デモテープ的なものが簡単に作れた。
やっていることはアナログに近いけど
それがデジタル化の予兆のようなもの
だったんじゃないかと。
81年頃の話です


─TM NETWORKが始まる前から?

小室ありましたね。TMのデモテープ
作りでも808を使っていましたし。
そうやって宅録したものがいちばん
グルーヴ感が良かったりするのも
全世界のアーティストが経験してる
感覚なんじゃないでしょうか。
どうやってもスタジオで作ると家で
作った時の感じを再現できないんです。
人力のリズムとは違うんですよね
やっぱり

I.N.A.みんなその感覚は経験してい
ますよね。
デモマジックというかスタジオに行った
ら『あれ、おかしいな?』みたいな
ことがたくさんありました。
hideも2枚目のアルバムでは宅録が
半分以上でしたし。
スタジオで録り直したけど、やっぱり
デモのままいこうよ、みたいなことも
ありました

─“PSYBORG ROCK”の定義で
『人間のグルーヴを機械で制御する』
というのがありますが、まさにそうい
うことですよね。

I.N.A.そうですね。打ち込みと生の
どっちに追従させるかというところで。
90年代のインダストリアル・ロック
っていうのはノーグルーヴが基本
だったんですよ。
すべての音符を16で弾いているなら
最後まで16、8なら最後まで8って
決めて、後から全部切り刻んで
グルーヴをなくしてシーケンスにはめ
込んでいくという音作りだったので。
僕らはそれを “PSYBORG ROCK” に
するにあたり試行錯誤して、今までの
ように機械を人間に追従させていた
発想を逆転して、人間がやっている
ものを機械のようにして逆に打ち込み
でグルーヴ感を出すといったような
トライをしていったんです


─歌モノのロックで、当時そういった
試みって他にあったんでしょうか?

I.N.A.日本でやっている人はあまり
いなかったと思います。技術的にとい
うか、時間を掛ける余裕がなかった
というか

小室それに、そこに歌を乗っけると
なぜかちょっと野暮ったくなっちゃう
んですよね。昭和に逆戻りしたような
キャバレーでおじさんがリズムボックス
をポンって叩いて弾いてる音楽のよう
な感じって言うのかな。
だから、ロックというジャンルには
なかなか取り入れられなかったんだと
思います。その数少ない成功例で言うと
THE POLICEとかですかね

─hideさんもその成功例ですね。

I.N.A.実験の中で生まれたものです
けどね。そこを目標にしてやっていた
わけではないので

小室あと、彼の場合は声質が合って
たっていうのもあると思う。
デジタルなロックサウンドと非常に
相性が良かったと思いますよ

I.N.A.確かにそれはありますね

小室乗せる言葉もかなり選んでたん
じゃないですか?

I.N.A.そうですね。音に乗せた時の
言葉の響きは、歌詞を書くうえで大切
にしていました。あと、基本的に
カッチリしているものが好きだったん
ですよ。歌もプロトゥールスとかの
編集機能が出る前から普通のヨンパチ
のテープでタイミングを動かしたり
ピッチを直したりしていて、思い描い
たものを完璧に音にしたいという欲求
がすごくあった人なんですよね

─大変な作業だったんじゃないですか?

I.N.A.大変でしたよ。1トラック作る
のに8時間掛けたりとか。今だったら
ボタン押せば一瞬で出来ちゃうような
ものなんですけど


─先日ドキュメンタリー映画を拝見し
ましたが、hideさんI.N.A.さん
絡みで面白かった場面があって。
コンピュータに生音を取り込んで出す
と予期せぬ音で出てしまう時があって
hideさんがそれを楽しみつつも
I.N.A.さんに「何でこの音が出たか分析
しておいて」って言うんです。

I.N.A.たまに思ってもいない音が出た
りすることがあって、それが面白い
シーケンスになってたりすると
『これをそのまま使おう』っていう
パターンもよくあったんですけど
ただ解析だけはしておいてねって。
解析が出来ていれば、それを後から
いつでも使えるじゃないですか。
そういう風に、感覚と理論を両方持ち
合わせてる人でしたね。
バーンってノイズが出て、そのノイズ
がカッコいいからOKじゃなくて
このノイズがなぜカッコいいのかを
ちゃんと考えてから次のレベルに行く
というような作り方をしていました

小室面白いですね。ちょっと学者さん
みたい

─新しいことを取り入れるだけでなく
それがこの先どう変化していくか、先
を見据えていたと。


I.N.A.これは今やっているhide
3DCGライヴの宣伝文句にもなっている
んですが、93年頃にレコード会社の人
の『hideくんいつまで化粧してやって
いくの?』っていう質問に対して
完璧なヴィジュアルアーティスト
つくって、俺はいつの間にかフェード
アウトして、でも、hide って名前で
やっていくの。
いつのまにかすり替わってんの。 
もちろん音楽は俺がつくるの』って
発言していたんです。
初音ミクが出てきた時にちょうどその話
を思い出して、そういえばhideはこんな
ことを予見していたのかなって頭の中
で繋がっていって。
で、さらに2015年にはその時に言って
いたことが実現しているわけじゃない
ですか。なんか、不思議だなぁと


─22年前の発言とは思えないですね。


I.N.A.その当時、Photoshopで写真の
エディティングをする技術が出始めて
いたので、その辺りから派生した
アイデアだったと思うんですけど
まだCGを個人レベルでどうこうできる
ような時代ではなかったですからね


─以前、小室さんも「今はアーティスト
本人がいないとライヴが成立しないけど
例えば『オペラ座の怪人』が世界各国
で同時上演されているように、いつか
音楽エンターテインメントも変わって
いくような気がする」と言っていた
じゃないですか。
それは93年にhideさんがボンヤリ描い
ていたものとリンクするんじゃないか
と思うんです。


小室拡散の話ですね。今の音楽配信
サービスにも繋がるんですが、権利で
縛れば縛るほど今の世代には好まれな
いというか。先日聞いた話ですけど
サンリオのキティちゃんは権利を
みんなにライセンシーすることで
国内外のシェアはディズニー関連を
抜いているそうなんです。
ミッキーは絶対に一人しかいないと
いう縛りがあるのに対して、何人いて
もいいからみんなに知ってもらうと
いう真逆の発想ですよね。
現代のキーワードである“拡散”とい
う意味では、良い成功例だと思います。
それと同じで、音楽も権利を解放した
方がエンタテインメントとしての
広がり方は大きいんです。
希少価値やブランド力という段階に
行き着くのはまだその先で、その力を
強めるために良い形で拡散をしなけ
ればならない。
hideの3DCGライヴも全世界で同時に
上演することが可能ですし、まさに
“良い拡散”の一例ですよね


I.N.A.実際、完全に権利フリーでは
ないけど、hideを使って面白いことを
たくさんやれる環境は事務所側でも
整ってきていて。
hideという素材を使って面白いこと
をやってみたい』という人をなるべく
受け入れるようにしているんです。
先日のドキュメンタリー映画もそうだ
し、3DCGライヴもそうで、本人と
直接関わりのなかった人たちがhide
媒介して新しいエンタテインメントを
作っていく。
そうして彼の音楽は今も広がりを見せ
ているんじゃないでしょうか

小室まさにその通りですね。
ガッチリ権利で縛らないほうが、時代
に沿った広がり方をしていく


─『子 ギャル』という作品もそうです
よね。


I.N.A.そうですね。98年にサード
アルバム『Ja,Zoo』に収録される
はずの曲で、歌詞も曲も出来ていたの
ですが、♪ラララ~でメロディを
うたった仮歌のデモ音源しか存在し
なかったので、当時は再現不可能と
いうことでお蔵入りになっていた曲で
2年前くらいにレコード会社のスタッフ
”もしかしたら、ボーカロイドなど
を使えば再現できるんじゃないか”
いうアイディアが元でした。
それに、こういう形で発表まで漕ぎ着
けたのもテクノロジーの進化の賜物だ
と思います。
ただ、なかなかボーカロイドの枠を
超えることができなくて開発していた
だいたいわゆるhideロイドを元に
結局最後は僕の人力の作業でhideの歌
から一言一言拾って貼り替えてhide
新曲にしていくという作業をしたんで
すけど

─どのくらい掛かりました?

I.N.A.4カ月くらいやってました。
一節に一週間くらい掛かった

小室何万ピースとかですよね

I.N.A.そうですね。
当時からヴォーカルのディレクション
も僕がやっていたし、この歌をどう
やって歌えばいいのかっていうのを
わかっていたからこそできたと思い
ます。誰か他の技術者が同じ作業を
しても、できなかったと思う

─やっぱり最後は人間の力なんですね。

I.N.A.ですね(笑)。まぁ、きっかけ
がテクノロジーなのは確かなので。
しかも、最新技術で作られた3DCGの
hideが今この曲をライヴで歌っていま
すから。誰も見たことがない
『子 ギャル』という曲をライヴで演奏
している姿が実際に見れるって
すごいことですよ

小室それが実現に至ったのは
もちろんI.N.A.さんの存在も大きい
けど、彼自身がそういうものに興味を
抱いていたというところもあるで
しょうね。現代のテクノロジーに
繋がる、その進化の入り口に入り込ん
でくれていたからこそ、テクノロジー
が追いついてくれた。
その両方がないといくら人力でもで
きなかったと思う


─完全に21世紀の扉を開いていたと。
今だったら、hideさんはどんなこと
をやってると思います?


I.N.A.よく聞かれますけど、僕が
いちばん知りたいです(笑)


小室もし今も活躍されていたら
僕と同じようにいろんなメディアで
“今後どうなっていくんでしょうか?”
っていう質問を受けてる存在になって
いたでしょうね(笑)


I.N.A.それは確かに(笑)


小室あと、彼のように音楽と
ファッションを合致させることができ
るアーティストは未だに非常に少ない
んです。
疎かったり、比重が音楽のほうにいって
いたりして。彼はそのバランスが
すごく優れていた人だと思うので
今だったらハイブランドのぶっ飛んだ
デザイナーたちと気が合って、衣装
から何から全部ガッツリ組めるような
数少ないミュージシャンになっていた
んじゃないかな

I.N.A. このアー写(『子ギャル』の
限定盤ジャケット)にしても、20年前
のものとは思えないですよね。
時代を感じさせないというか

─90年代から未来を完全に予見してい
たのかもしれないと思ってしまいま
すね。ヴィジュアルにしかり、音楽に
しかり、テクノロジーにしかり。

小室そんな気もしますけど
テクノロジーの進化という面では
今時間がどんどん短縮されていってい
るところなので、hideが発言してから
実現するまでの期間は考えていたより
も案外早かったんじゃないかな。
みなさんのなかにまだしっかりと彼の
記憶がある最中に実現するって
結構すごいことだと思う。
これから先もどんどんそのスピードは
速くなっていくので、彼が遺した言葉
で証明されることがさらに増えていく
んじゃないでしょうか。
僕としては、彼が遺したアイデアで他
にどんなものがあるのか知りたいところ
ですけど

I.N.A.何かあったかな……何かが
始まる時にふと思い出すんですよね。
不思議なことに、彼が『やろう』って
言い出した時はだいぶ前に過ぎ去って
いてすっかり忘れているんですけど
何か新しいことが始まる時になって
『そういえば、hideがこんなことやり
たいって言ってたよねってはっきりと
繋がるんです。だから、これからまた
新しい何かをhideを使ってやりたいって
いう人がいたら、思い出すかもしれない

小室また新しいことをやるには彼の
意思や感性を伝承するI.N.A.さんのよ
うな存在が絶対に必要不可欠だと思い
ますよ。でないと、アイデアを具現化
することができないですから

I.N.A.がんばります(笑)

文=ジョー横溝(ローリングストーン
日本版シニアライター)



──────────────────



小室哲哉さんがちょこちょこ良い言葉
を言ってましたね。

あまりhideちゃんとの接点はなかった
小室さんやっぱり音楽業界を
引っ張っている、いく部分で
近い匂いがするのか
なんとなくhideちゃんを理解できてる
所とか凄いなぁ‥って思いました。

hideちゃんが今いたら多分 小室さんと
何か凄い事をしていたんじゃないか?
と思いました。



そして私も同感だ!!と思えた部分↓↓

小室さんの
あと、彼のように音楽と
ファッションを合致させることが
できるアーティストは未だに非常に
少ないんです。
疎かったり、比重が音楽のほうに
いっていたりして。
彼はそのバランスが
すごく優れていた人だと思うので
今だったらハイブランドのぶっ飛んだ
デザイナーたちと気が合って
衣装から何から全部ガッツリ組めるよ
うな数少ないミュージシャンになって
いたんじゃないかな、、

今もhideちゃんのようなアーティスト
ってよーく考えてみたら確かにいない!
なって私も思いました。

‥本当に彼は‥hideちゃんは何もかも
偉大すぎてある意味
希少で貴重な方だったなぁって
感じますね。