⑪ 企業の管理者はDXは自動的に業務を行うことだと思っており、データの蓄積や分析ができるとは思っていないのでは
深掘り:
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が広まる中で、**「DX=業務の自動化」**とだけ認識されている管理者が少なくありません。
たしかに、業務の効率化や自動化はDXの一部ですが、それだけではDXの本質には届いていません。
真のDXとは、「業務の見える化」「データの蓄積・活用」「意思決定の質を上げる」ことにより、企業体質そのものを変える取り組みです。
しかし、多くの現場では「便利になること=DX」と誤解され、“便利ツールの導入”で満足してしまう傾向があります。
具体例:
勤怠アプリを入れて「うちもDX進めてるよ」と言う管理者
→ 実際はアプリに打ち込まれたデータをCSVで出力して、紙に印刷して確認・手計算している。これではデータ活用はできず、「デジタル風アナログ運用」になっている。
報告書が電子化されただけで、集計も分析もしない
→ 日報をスマホで提出できるようになったが、内容はそのまま保管され、検索・分析機能は使われていない。つまり、紙からPDFに変わっただけで運用は変わっていない。
「自動で動く」ことに期待しすぎて、仕組みづくりを怠る
→ 「AIで勝手に分析してくれるんでしょ?」と誤解して導入。実際には入力ルールもなく、バラバラなデータが蓄積され、分析不能に。
なぜ「DX=自動化」と誤解されやすいのか?
メディアや広告が「便利」「ラクになる」ばかりを強調している
データ活用には“人の工夫”が必要だと理解されていない
デジタルの利活用に必要な知識・経験が現場にない
ITベンダー側も“わかりやすく簡単そうに見せる”ため、誤解を招きやすい説明をしてしまう
補足のまとめ:
DXは、単なる「自動化ツールの導入」ではなく、「データを活用して意思決定や業務の質を変えること」。
小さな記録でも、それが蓄積されれば「見える化」につながる。
「入力することに意味がある」と現場が納得しなければ、DXは進まない。