【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ事故死者 ウクライナは6000-8000人

【モスクワ23日伊藤嘉英】

タス通信によると、ウクライナのチェルノブイリ事故後遺症担当相のゴトフチツ氏は22日、記者会見し、同原発事故の影響によるウクライナ国内の死者は、6000人から8000人に上ったことを明らかにした。
チェルノブイリ事故の死者数については、昨年5月、旧ソ連保健省が放射能除去作業に参加した労働者が90年末までに1065人死亡したと発表した。ベラルーシも昨年、同国内で約7000人が死亡したと発表している。

(中日新聞 1992/04/23)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ事故汚染地区 奇形発生率増加

日本キリスト教協議会の招きで来日した、ベラルーシのミンスク遺伝医学研究所のゲンナジ・ラジュク所長(63)が、1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故後に放射能汚染地区で奇形発生率が高くなったとのデータを明らかにした。
ゴメリ・モギレフ両州の17汚染地区(セシウム137の放射能で1平方キロ当たり15キュリー=5550億ベクレル以上)での奇形発生率は、新生児1000人当たり、事故前の82-85年が3.87人だったのが、87-90年は7.17人に上昇した。「増加ははっきりしているが、他の地域との統計的な差などはまだはっきりしない。今後もデータを集める必要がある」
連邦崩壊の影響は、の問いに「政変がなければ日本には来られなかったろうし、たとえ来られても自由には発言できなかったろう。しかし、生活は自由になると同時に難しくなった」。

(朝日新聞 1992/04/01)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ事故 重い後遺症 子供のがん急増
ウクライナ委調査

【キエフ26日AP】

ウクライナ最高会議のチェルノブイリ委員会は26日、1991年から92年の間にウクライナとベラルーシで計88人の子供が甲状腺(せん)がんにかかるなど、チェルノブイリ原発事故の健康面への影響は極めて深刻、とする新たな調査結果を発表した。
子供の甲状腺がんは、ウクライナなどで事故前には年間1、2例しかなかった。異常出産、成長障害、遺伝子異常が通常より2-3.5倍多いことが確認され、特に原発で放射能汚染の除去作業に従事した労働者の遺伝子、染色体異常は5-15倍多いという。
事故による死者数は公式には32人とされているが、科学者などの間では少なくとも250人で、1万人に達する恐れもあるとの見方が出ている。リソブイ同委員会顧問は「国際原子力機関(IAEA)の健康面への影響評価は低過ぎる」と強調、事故の後遺症に対する支援を求めた。

(中日新聞 1992/03/28)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ周辺 子供の甲状腺がん発病率激増

【モスクワ9日青木睦】

9日のイタル・タス通信によると、1986年に原発事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ原発周辺で、子供のがん発病率が異常に高くなっている。ベラルーシの保健省が明らかにしたもので、86年には子供1000人当たりの甲状腺(せん)がんの発生率は0.13%だったのに対し、昨年はその17倍にも増加した。81年から85年までに見つかった甲状腺がんの子供は7人。
ところが昨年は45人に上り、大半がチェルノブイリに近いベラルーシの都市、ゴメリ地域に集中している。

(中日新聞 1992/03/10)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
核のゴミ数千トンをバレンツ海に投棄 旧ソ連20年以上続ける
英TVが報道

【ロンドン25日=共同】

英チャンネル4テレビは25日、旧ソ連が20年以上にわたり数千トンに上る核廃棄物をバレンツ海に投棄していたと報じた。環境専門家は、核汚染が全欧州に広がる恐れがあると警告している。
これを証言したのは、ロシア人核専門家のアンドレイ・ゾロトコフ氏で、同氏が見た国家保安委員会(KGB)の書類には1964年から86年までバレンツ海に核廃棄物を入れた容器1万7000個を捨てたことが記されていた。
廃棄物は原子力潜水艦や砕氷船からのごみ、使用済み核燃料、核兵器としての利用基準を満たす品位のプルトニウムなど。主要投棄場が10カ所あり、ほとんどはノバヤゼムリャ島の東部に位置していた。
環境保護団体グリーンピースも「このままでは核汚染が食物連鎖に入り込み、牛乳などが汚染される恐れがある」とし、全欧州に深刻な脅威を引き起こす“時限爆弾”と警告している。

(朝日新聞 1992/02/26)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
職場被ばくのがん発生 現行推定値の2倍リスク
英国放射線防護委 初の大規模疫学調査結果
白血病で「相関」顕著 将来的に限度量見直しも

原発や核燃料再処理工場、核兵器製造工場などで受ける放射線被ばくは、これまで国際放射線防護委員会(ICRP)が推定していた約2倍のがん、とくに白血病を起こすことが分かったという、英国放射線防護委員会(NRPB)の調査が英医学誌ブリティシュ・メディカル・ジャーナルに発表され、各方面に大きな影響を与えている。将来的には職場における被ばく限度量の見直しが求められる可能性もある。(ロンドン=竹内 敬二)

長期的な低レベル被ばくとがんの影響が大規模疫学調査で明確に示されたのはこれが初めて。
NRPBは1976年に、放射能を受ける職場にいる労働者の登録制度を作り、その死因、とくにがんと、放射線外部被ばく量との関係を追跡調査している。今回発表されたのは88年末までの結果をまとめた第1次報告で、調査対象は約9万5000人(9割が男性)。うち死亡者が6660人だった。
1人平均の蓄積被ばく量は33.6ミリシーベルト。8.7%の人が100ミリシーベルト以上だった。
ICRPの現在の年間被ばく上限値は50ミリシーベルト。
全体の死亡率は一般の英国人の85%、全がん発生率も86%とかなり低かったが、これは雇用の際に健康人を選ぶことによる、いわゆる「健康者効果」と判断された。
死亡原因と被ばく量では、(1)すべてのがん発生率と被ばく量の間には続計的に弱い相関しかないものの、線量が増えるにしたがって発生が増加していた(2)放射線の影響とは考えにくい「慢性リンパ性白血病」を除いた「すべての白血病」をとると、線量の増加に応じて発生率が上がる相関がはっきりと表れ、低線量被ばくでの白血病発生リスクが証明された。
しかも、どちらの場合も、「健康者効果」を差し引いて、生涯のがん発生確率を比べると、現在、ICRPが勧告している値のそれぞれ2.5倍、1.9倍となった
このほか、前立腺(せん)がんと甲状腺がんは一般人よりも発生率が高かったが、前者では統計学的な差異はなかった。後者は発生率は一般人の3倍と大きいが発生は9人と小さく、また外部被ばく線量との相関もなかった。いずれも偶然の結果か内部被ばくの可能性が強いと見ている。
結果について、NRPBは「まだ、ばらつきが極めて大きいので、基準を変える必要はない」としている。調査は今後2年かけてさらに詳細なデータをとる。2年後には対象死亡数も増え、不確実性が2-3割減るとしている。
英国では90年2月に、セラフィールド核燃料再処理施設周辺に多発している子どもの白血病は、父親が同施設で働き、放射線被ばくが高いほど(とくに100ミリシーベルト以上)多いと発表され、放射能職場で働く労働者やその家族を不安にさせている。


<放射能の影響> 放射能の健康への影響は大規模なグループを長期間、追跡調査して初めて分かる。一時的な大量被ばくの影響は主に日本の原爆被爆者のデータで明らかになっており、職業被ばくの限度を決めた現在のICRPの値も、主にこれを基礎に低線量領域まで推定して決めている。
英国ではこれまでいくつかの追跡調査をしているが、対象が少ないことなどから、明確な相関は出なかった。また米国での調査では、がん発生のリスクはICRPの推定よりも小さく、今回の結果とは食い違う。

(朝日新聞 1992/02/04)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ事故処理 100万人の生命に危険
ウクライナの学者見解

【ボン27日共同】

ウクライナの核物理学者チェルノセンコ氏は27日、発売のシュピーゲル誌とのインタビューで「1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故で、適切な防護策がとられないまま、事故処理作業に従事した約100万人が生命の危険にさらされている」と述べた。
同氏は旧ソ連政府の依頼で事故直後から8カ月間にわたって処理作業を科学者の立場から監督した。同氏によると、19-20歳の旧ソ連軍兵士多数が原発から30キロ以内の放射能汚染地帯に「意味もなく」動員された。このため、これまでに数多くが放射能障害で発病し、まだ発病していない人びとも今後、確実に発病すると予想され「死者の数は今後増え続けていく」という。

(中日新聞 1992/01/28)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ事故から5年 悲惨 被ばくの後遺症 ソ連3共和国
汚染地域で白血病急増 家畜、植物に奇形

ソ連チェルノブイリ原発事故による放射能汚染の健康被害などを調査していた国際原子力機関(IAEA)の国際諮問委員会(重松逸造委員長)はさる5月に「放射線による健康被害はみられない」という報告書を発表した。だが、ウクライナ、白ロシア、ロシアの3共和国の1平方キロメートル当たり1キュリー以上の汚染地域20万平方キロメートル(日本の領土の約半分)の住民は、事故から5年以上たったのに子供の白血病や甲状腺(せん)がんなどの増加、家畜動物の奇形、今後の遺伝への影響などで不安な生活を送っている。
IAEAの報告は汚染地域と非汚染地域の住民の疫学的調査比較の結果。事故直後、大量の放射線を浴びて避難した住民や汚染物の除去作業に動員された人たちは除かれているし、既に入院・治療している白血病や甲状腺がんの患者は対象にされていない。
このためウクライナ、白ロシア、ロシア共和国政府はIAEA報告について「実態からずれ過ぎている」と報告書の一部削除をIAEAに要求した。白ロシアの場合、政府も「汚染地域のがんは86年に40%増加、その後毎年6%ずつ増えている」といい、マルコ同共和国原子力研究所所長は「白血病は7-10倍、甲状腺がんも2-4倍に増えている」とがん急増の対策に追われているからだ。広島、長崎の被爆者の白血病などのがんも5-10年してから目立ち始めたといわれている。
それだけに「甲状腺障害は慢性的ヨード不足が原因。奇形は近親結婚のためではないか。がんの増加も統計の誤差にすぎない」といった一部のIAEA調査団メンバーの発言には地元の専門家からも反発が強い。
チェルノブイリ原発事故の汚染地帯で何が起きているのだろうか。
86年4月26日の事故発生以来、現場や汚染地域で放射線の影響の実態を追ってきたソ連ノーボスチ通信の資料の中から放射線の影響かとみられる写真(※江原注:割愛)をピックアップしてみた。もちろん、これは放射線との因果関係がはっきりと証明されたものではない。だが、放射能汚染で何かが起きていることだけは間違いない。


<写真説明文>
・事故直後の消防に参加した大工のスタロボイさん。全身に放射能を浴び、連邦保健省第六病院で治療を受けていた=1986年
・チェルノブイリ原発事故から2キロ地点で見つかった異常な植物。左は正常なもの。右は突然変異のためか茎が平べったい=1989年
・ウクライナ共和国で生まれた奇形の豚。虹彩(こうさい)と瞳(ひとみ)がない=1989年
・白ロシア共和国ミンスクの第1臨床病院で白血病の治療を受ける子供=1990年

(中日新聞 1991/08/07)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ被災地 IAEA報告に医師ら強い不満
事故の影響明白と指摘 「調査対象少なく短期間」

「彼らの目的は健康の維持ではないから」「事故の影響はデータではっきりしている」──ソ連チェルノブイリ原子力発電所事故の放射能被害について、国際原子力機関人(IAEA)が5月に発表した報告が「健康への影響は認められなかった」としたことに対し、ウクライナと白ロシア、ロシアの3共和国の医師たちは強い不信感をもっている。朝日新聞厚生文化事業団などが日本赤十字社と取り組んでいる被災者救援募金活動「チェルノブイリに光を」の第3次調査団に同行し、現地で住民の治療にあたっている人々に聞いたところ、IAEA報告への批判が噴出した。(科学部・友清 裕昭)

チェルノブイリ原発を抱え、セシウムだけでなくストロンチウムによる高い放射能汚染地域が、立ち入り禁止地帯の外にも広がっているウクライナ共和国。保健省のウラジーミル・シェスタコフ次官は開口一番、「私たちは非常に不満だ」と強い口調で語った。


共通の言葉がない

「病気には多くの要因がからんでいて、放射線の影響だけを区別するのが難しいことはわかる」としたうえで、IAEA報告は大量被ばくした事故処理作業者を除外していることなどを指摘し、「もう少し時間がたつとはっきりしてくるだろう」と述べた。
さらに、「IAEAは原子力を利用しようとする人たちの集まりだ。本来は保健の仕事をしているわけではない。私たちと彼らとには共通の言葉がない」と、手敵しい。
原発から北東へ120-260キロも離れた一帯に高濃度汚染地域が広がる白ロシア共和国の放射線医学調査研究所病院には、甲状せんがんで手術を受けた子どもたちが入院している。
セルゲイ・コルイトコ院長がファイルから次々と資料を取り出しながら説明してくれた。その1つが同共和国統計局がまとめた、この地方に多い甲状せん腫の年次変化。1970年にはゴメリ州の住民の46%、モギリョフ州では60%に甲状せん腫が認められた。それが次第に減って、85年には両州とも20%強に。しかし、原発事故でこの地域が放射能汚染された翌年の87年には30%台後半に増え、89年にはゴメリ州で54%、モギリョフ州で40%と、70年代の水準に戻ってしまった。
「この地方はヨウ素不足で甲状せん腫が昔から多かった。70年代にヨウ素剤が投与されて減った。最近の増加は明らかに事故の影響だ」と、コルイトコ院長は断言する。


甲状せんがん多発

白ロシア共和国では、事故前にはほとんどなかった子どもの甲状せんがんが昨年は20人。ことしは前半だけで21人に達しているという。
コルイトコ院長はいう。
「甲状せんがんは被ばく後15年ほどたってからといわれていたのに、あまりにも早いので驚いている。西ヨーロッパの専門家は疑っているが、全例を手術後に病理検査して確認しているので間違いない」
同病院のアレクサンドル・アリンチン研究員は、IAEA調査団が白ロシアに来たとき現地を案内した。
「測定器などは私たちのものより立派だった。だが、調査したのは短期間で、一部地域の40人ほど。この点が私たちの調査とまったく違う」
これまではあまり報道されていなかったが、ロシア共和国も白ロシア共和国との境界付近のブリャンスク州に広大な汚染地域を抱えている。同州医療委員会のエフゲー二ア・フロローバ副委員長も、89年と90年の州内の地域別の病気の統計を示して、汚染が強い地域ほど風邪などの呼吸器疾患が多いと説明した。


反論キャラバンも

事故被災者の支援団体「チェルノブイリ同盟」は、IAEA報告への反論キャラバンの準備をしている。9月から40人乗りのバスでモスクワを皮切りに40日間で欧州17カ国を回る予定だ。スポークスマンのアンドレイ・コネチェンコさんはいう。
「IAEA報告では調査の対象外にされた事故処理作業従事者が乗り込む。日本のヒバクシャも参加してくれたらありがたいが、無理でしょうね。せめて日本の企業がスポンサーになってくれないだろうか。車体に名前を入れていいキャンペーンになりますよ」

(朝日新聞 1991/07/06)

【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ原発事故「事後処理作業で1000余人死亡」
ソ連の団体が調査公表

【ニューヨーク支局23日】

ソ連の非政府系団体「チェルノブイリ支援」の責任者でチェスの元世界チャンピオン、アナトリー・カルポフ氏は、23日当地で記者会見し、同団体の調べによると、チェルノブイリ原発事故の事後処理作業員のうち少なくとも1089人が死亡、5000人以上が病弱者になった、と明らかにした。
同氏は、これまで公表されたソ連政府や国際原子力機関(IAEA)による事故被害調査は同政府内部の原子力エネルギー推進派の提供したデータのみに基づいて、被害を過小に見積もっていると批判。周辺30キロメートル以内から避難した住民11万6000人と事後処理に携わった60万人の作業員を調査対象に含めていないと指摘した。
同氏によると、放射能値がきわめて高かったため作業員1人当たり1分間にも満たない短時間しか活動できず、作業従事者の総数がふくれあがった。作業員の70%は40歳以下で、すでに国内各地にちらばっているため、IAEAの調査から漏れているという。

(朝日新聞 1991/05/24)