使用済み核燃料:米国の最終処分場計画でデータ捏造

【ロサンゼルス國枝すみれ】米ネバダ州ユッカマウンテンで進められている使用済み核燃料最終処分場の建設計画で、地下水浸透調査のデータの一部がねつ造された可能性が高いことが明らかになり、計画を管轄する米エネルギー省は22日までに調査を開始した。


同省の委託を受けた米地質調査所は「地下トンネル内に貯蔵される使用済み核燃料が地下水を汚染することは少なくとも1万年間はない」と結論付けていた。ところが、調査に関与した科学者たちが98~00年に「実験で使われたサンプルの一部は、いつ、どこで採取されたものか全く分からないため、適当に作り上げる」という内容の電子メールをお互いに送っていたことが判明した。


米政府は02年、同州ラスベガスの北西約160キロにあるユッカマウンテンを、全米の商業用原子力発電所や核兵器関連施設で発生する使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の最終処分場にすると決定した。実現すると世界初の使用済み核燃料最終処分場になるが、同州政府やユッカマウンテン周辺に暮らすアメリカ先住民は計画に反対している。

(毎日新聞 2005/03/22)