「被ばく皆無は不可能」と原技協
「再処理をする限り、内部(体内)被ばくは起こる。お百姓さんをやっていて泥が付かないわけがないのと同じ」-。
六ケ所再処理工場の安全管理体制の評価結果を三村申吾知事に伝えるため、4日、県庁を訪れた石川迪夫・日本原子力技術協会理事長がこんな例えを持ち出し、三村知事にくぎを刺される一幕があった。
懇談の中で石川理事長は、同工場で体内被ばくと体内被ばくと疑われるトラブルが続いたことについて、「被ばくが2度あったので心配した」としながらも、「原因が違っていたので安心した」と語り、日本原燃の取り組み姿勢を評価。「体内被ばくを皆無にすることは、不可能だ」とも語った。
石川理事長の発言に三村知事は驚いた様子で、「体内被ばくをなくするため最大限の努力をしてほしい、と言っている。努力を尽くさずして『あり得る』ということでは困る」と指摘した。
また石川理事長は、県が日本原燃に強く要請した半面マスクの着用についても、「マスクを着けて長く作業を続けていると(息苦しいため)注意力が散漫になる。必要でない区域では適宜外した方が安全だ」と語り、逆効果になりかねない-との見方を示した。
日本原子力技術協会は日本原燃の要請を受け、5月の体内被ばく発生後の6月7、8日と今月3、4日に工場を調査。改善事項などを盛った報告書を来週、提出する。
同協会は、原子力事業者やメーカーなどの品質保証活動を第三者的立場から評価する新法人。三村知事の意向などを受け、昨春発足した。
(東奥日報 2006/07/05)