使用済み核燃料、今後50年以上は再処理必要ない──米・フェッター教授/福島


◇米・フェッター教授、エネ検で講演──「コスト面で直接処分に及ばず」
米メリーランド大のスティーブ・フェッター教授が31日、県幹部で作るエネルギー政策検討会(エネ検)で講演し、「使用済み核燃料の再処理はウランの価格が現在の10倍にならない限り、コスト面で直接処分に及ばない」と述べた。核燃料を1回の使用だけで埋設処理する方が圧倒的にコストが安いため、「再処理の必要は今後50年以上はない」との見解を示した。


教授は使用済み核燃料をリサイクルする再処理計画に、核不拡散の立場から反対の姿勢で研究している。講演では、再処理が直接処分に比べ割高なことは一般に合意されているとしたうえで「推進側はコスト差は解消できると主張するが、我々の結論では50~100年間は続くとみている」と述べた。


佐藤栄佐久知事は青森県六ケ所村で準備が進められている再処理工場の稼働前に、計画を見直すべきだと主張しており、再処理した燃料を既存の原発で使うプルサーマルについても認めない方針を打ち出している。幹部からは、米国の再処理に対する考え方や日本での最終処分の難しさなどをめぐって質問が相次いだ。【上田泰嗣】

(毎日新聞 2004/06/01)