【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
「都合の悪い事実隠した」原告が国の文書提出 青森・核燃訴訟


青森県六ケ所村に建設中の使用済み核燃料再処理工場の事業許可取り消しを市民グループが国に求めた行政訴訟の口頭弁論が10日、青森地裁であり、原告団は再処理工場の安全審査のため国が使用したとされる文書を提出した。戦闘機墜落の想定で、秒速150メートルとされた落下速度が、最大340メートルに達する恐れがあるとする内容で、原告側は「再処理工場が崩壊する可能性がある」と指摘した。


文書には、「ほかの原子力施設での安全評価にも影響を与える」「立地点(六ケ所村)の適合性がクローズアップされ、社会問題化する」などとして、国側が衝突速度の設定を変更しなかったと書かれてあるという。
原告団の核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団(代表・浅石紘爾弁護士)の準備書面などによると、国はこれまで戦闘機が墜落する速度を秒速150メートルと設定。必要な壁や天井の厚さを1.2メートル程度(最大1.8メートル)として防護設計するよう求めていた。


しかし問題の文書は、戦闘機が訓練区域の上限高度の7000メートルから墜落した場合などには、秒速215―340メートルで衝突する可能性を指摘。秒速215メートルでも1.7―1.9メートルの厚さが必要な計算になるとした。
原告団は、秒速150メートルを超える速度で戦闘機が衝突した場合、建物が崩壊すると主張。「政治的な理由で本来検討すべきことがされず事業者に都合の悪い事実を隠すよう画策した」と訴えた。
弁論後、会見した経済産業省原子力安全・保安院の山田尚義訟務室長は「文書は事業者(日本原燃)から提出された物だが、安全審査で使ったかは確認できない。内容を検討し、必要に応じて反論していく」とし、文書の証拠採用に同意した。
文書は、別の訴訟の中で原告団が見つけた。

(河北新報 2004/02/11)