【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
柏刈原発・コバルト60検出 東電、検出可能性を否定せず/新潟


◇「フィルター持ち出し、焼却」
反原発団体の調査で柏崎刈羽原発の敷地外の土から自然界にない放射性物質「コバルト60」が検出された問題で、東京電力は6日、調査結果を発表し、管理区域内にあった排気用フィルターの木製外枠などが敷地外に持ち出され、焼却されていたことを認めた。東電は「フィルターの焼却が原因でコバルト60が検出されたのかは分からないが、可能性は否定できない」と説明した。


東電は、反原発団体が「放射性廃棄物が敷地外に持ち出され、焼却された」と指摘した99年春当時を知る現職の作業員延べ43人に聞き取り調査を行った。


その結果、1号機の放射性廃棄物処理建屋に設置されている排気用フィルターの木製外枠(長さ60センチ幅30センチ)計192個が99年3月に原発敷地外へ持ち出され、同4月、下請企業の倉庫や元請企業の寮にある焼却炉などで焼かれていた。
反原発団体が、寮のあった付近で昨年10月に土を採取し分析したところ、微量のコバルト60が検出された。東電によると、外枠の放射能量は、すべて国が定めている管理区域外への搬出基準値を下回っていた。


調査ではこのほか、「再生利用する」として管理区域外に持ち出された保温材やコンクリートなどの一部が再生利用されずに、原発敷地外で処分されていたことも判明した。


会見した岩城克彦副所長は「放射能量が国の基準値を上回る物を持ち出したケースはなかったが、区域外への持ち出しがあったことは大変申し訳ない」と陳謝した。
調査結果について、反原発団体の武本和幸・元刈羽村議は「我々の指摘を東電が認めたのは大きなこと」と話した。【田苗学】

(毎日新聞 2004/02/07)