【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
米がMOX燃料返還に同意 核テロの危険ないと判断


【ワシントン5日共同】製造データ改ざんが発覚し、福井県高浜町の関西電力高浜原発から英核燃料会社(BNFL)に返還されるプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の海上輸送について、米政府は5日、日米原子力協定に基づいて同意することを日本政府に伝えた。この結果、早ければこの夏にも返還輸送が実施される見通しとなった。

輸送に当たって日英両国は、英国の2隻の武装輸送船を使い、英原子力公社の武装警察隊を乗り込ませることを決定。米政府も「テロリストグループに奪われる危険はなく、米国の安全保障上も、核不拡散上も問題ない」と判断した。

このMOX燃料は、BNFLが製造、高浜原発でのプルサーマル発電用に1999年に輸入したが、BNFLでの製造データ改ざんが発覚、日英政府が英国への返還で合意。プルトニウム生産に使ったウランが米国の管理下にあったことから、米政府の同意が必要となっていた。

輸送計画によると、輸送船には、30ミリ砲3門を備え、有事の際に使う高速の武装ボートも装備する。武装警察隊はライフルや短銃などの火器、高圧電流銃などで武装、ガスマスクも配備するなど、過去2回、英国から日本にMOX燃料を輸送した際と同様の警備方法となる。

米政府によると、このMOX燃料には約3500キロのウランと、255キロのプルトニウムが含まれ、BNFLの工場で燃料からプルトニウムを抽出し、再度、MOX燃料に加工して日本に輸送される。

核不拡散に反対する米市民団体、核管理研究所のトム・クレメンツ代表は「昨年9月11日のテロ事件以降、核ジャックへの懸念が高まる中でのプルトニウムの輸送や利用は、世界の安全保障上、大きな脅威だ」と批判している。

(共同通信 2002/03/06)