【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
被ばくの実態知って 米の核施設、閉鎖後なお危険性も /福岡
米ワシントン州のハンフォード核施設による放射能被ばく被害の告発運動をしているトム・ベイリーさん(54)が、10日午後6時半から、福岡市中央区今泉1丁目の農民会館で講演する。入場無料。
ハンフォード核施設は第2次大戦中からプルトニウムを作り続け、長崎市に投下した原爆のプルトニウムもここで製造された。
今はすでに閉鎖されているが、大量の高レベル放射線廃棄物の処理などは進んでおらず、廃棄物タンクの爆発などの危険性が残っているという。放射能漏れが指摘されており、風下の地域では乳幼児の死亡率が特に高いとの指摘もある。
ベイリーさんは、母親が、原爆開発計画の科学者側責任者だったオッペンハイマー博士の秘書兼タイピストをしていたという因縁をもつ。父の代から、ハンフォード核施設の近くでリンゴ農園を営んでいる。自分自身もつめの奇形など健康障害を負い、体験者として地元住民の被ばく実態を告発し続けている。
今回は、広島、長崎で開かれる原水爆禁止世界大会に出席するため来日した。県原水協の木村勇事務局長は「自由と民主主義の国で放射能の人体実験などが行われていたことに驚く。国は真実を隠そうとするが、被ばく体験者の証言からその一端を知ってほしい」と話している。
問い合わせは、県原水協(092・741・9146)へ。(朝日新聞 2001/08/03)