【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
最悪事故でがん死300万人 静大教授が台湾原発で試算


【台北28日共同】存廃をめぐり議論を呼んでいる台湾第4原子力発電所(台北県貢寮)について、静岡大工学部の小村浩夫教授が28日、炉心溶融などの大事故が発生した場合、台北市などの台湾北部で8000人余りが放射能で急死、300万人以上ががんで死亡するとの予測を台北で発表した。東向きの風の場合、沖縄県与那国島などでも深刻な人的被害が起きるとしている。

小村教授は、京都大原子炉実験所の小出裕章助手らとともに、2004年に稼働予定の同原発で、炉心溶融や格納容器内での水蒸気爆発など、最悪の事故が発生したと想定し試算した。

その結果、事故後3時間原発から放射能の放出が続き、人口が密集する台北市方向に西向きの風が吹いた場合、放射能を浴びて8767人が急死、後発性のがんで334万人が死亡するとしている。

これは事故後、1週間以内に避難が完了したケースで、避難できなければ2万8000人以上が急死し、がんでの死亡は台湾の人口の約3割に当たる716万人に上るとしている。

台湾では5月の陳水扁政権誕生に伴い、経済部(通産省)が建設中の第4原発の存廃を検討する再評価委員会を発足させ、工事続行の是非を検討。林信義・経済部長が30日にも唐飛行政院長(首相)に存廃の判断を伝える予定。

(共同通信 2000/09/28)