【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
プルトニウムから撤退を 米で日本の原子力に不信感


【ワシントン5日共同】東海村臨界事故で安全を無視したずさんな作業が明らかになったことで、米民間シンクタンク、エネルギー環境研究所は5日、「日本は危険なプルトニウム利用から撤退すべきだ」との声明を発表、日本の原子力に対する不信感が米国内で高まってきた。

日本は、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを原発の燃料にするプルサーマルを推進。欧州から燃料を海上輸送したばかりだが、事故をきっかけに輸送経路沿岸国からも安全面で批判が高まりそうだ。

臨界事故について、同研究所は「日本の安全規制の緩みを示す」と指摘。

今回は約16キロのウランによる事故だったが、トン単位のウランやプルトニウムが使われる原発で事故があれば「汚染は朝鮮半島や中国にも広がる恐れがある」と分析、適切な安全監視ができないのにプルトニウム利用を進めるのは無責任と断じた。

別のシンクタンク、核管理研究所も、高速増殖炉原型炉用の燃料をつくる途中で事故が起きたことを重視。増殖炉開発を断念し、既存の原発の安全運転に専念すべきだと訴えた。

(共同通信 1999/10/06)