【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
放射性ガス屋外に漏れる フィルター除去困難


JCO東海事業所で起きた臨界事故で、核分裂で生じた放射性ヨウ素やクリプトンなどのガス状の核分裂生成物が排気筒から建屋外に大量に放出された疑いが強いことが3日わかった。ガス状の生成物はフィルターでの除去が難しいためと見られている。

事故の起きた転換試験棟は、建屋内を周囲よりも気圧の低い負圧に保つ排風機1台が配備され、放射性物質を吸着するフィルターも備え付けられている。同社が安全審査の際に作成した申請書では「強制換気で内部を負圧に維持できる構造」としている。

しかし、現場から1キロ離れた東海村舟石川地区では、事故直後から核分裂生成物のヨウ素やクリプトンの影響と見られる高レベルのガンマ線が検出され、平常値に戻ったのは事故から1日後だった。
また同事業所の東側約6キロにある核燃料サイクル開発機構では、30日午後9時前後に通常の6、7倍の放射線レベルに達したという。臨界によって生じた大量のガス状生成物が漏れ続けたためらしい。

同社では事故発生直前までは、負圧機能の維持を確認しているが、汚染された建屋内に排風機があるため、正常に動いているのか確認できない状態。同社は「外部に出る放射性物質の99%以上はフィルターで除去される。しかし、一部のガス状の放射性物質が建屋外に放出された可能性は否定できない」としている。

(読売新聞 1999/10/04)



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