【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

核燃料容器遮へい材原料に不純物 データ改ざんの直接動機


原子力発電所から使用済み核燃料を輸送する専用容器のデータ改ざん問題で、改ざんされた「中性子遮へい材」の原料に不純物が混入、これを交換していた事実を、製造会社が隠ペいしていたことが、科学技術庁の調査検討委員会の調べで新たに明らかになった。製造会社側はこの混入の事実を隠した上、急きょ一部の原料を交換。これが今回のデータ改ざん問題の直接の原因だったことも明らかになり、原子力開発技術をめぐり、虚偽情報が二重、三重に塗り込められていた形。12日に開かれる同委員会で報告される。

不純物によって遮へい材原料を交換していた容器は、原電工事(本社・東京)と日本油脂(同)が製造にかかわった4基。


遮へい材は(1)樹脂(2)硬化材(3)水素やホウ素を含む粉末──の原料を混合して作るが、使われた原料のうち、海外の材料供給会社から輸入された硬化材に炭酸カルシウムと見られる不純物が混入していた。
このため両社は別の硬化材と交換したが、その際、国の承認の前提となる「材料証明書」に、これに応じた修正をしなかった。両社では、これまでデータの改ざんについて「データの自然なばらつきを基準値内に補正するため」としてきたが、同庁では、実際は予期せぬ不純物混入による混乱があり、このつじつまを合わせるためにデータを偽った──と見て、ほかの容器にも同種の不正がなかったかどうか、調査している。

(読売新聞 1998/11/12)