【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

「もんじゅ」トラブル 動燃、また通報遅れ
空調故障 敦賀市の指摘で判明

動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀死)で昨年12月、中央制御室などの空調設備が故障したことを、動燃が県や敦賀市に報告していなかったことが、31日分かった。7年12月のナトリウム漏れ事故の際も、事故発生から約1時間も後に通報し、その遅れが批判を浴びたばかり。動燃の体質があらためて問われている。
空調設備はA、B2系統あり、昨年12月20日、このうちのA系統がショートしてモーターが破損、自動停止した。このため、動燃はB系統の機器を動かし空調する一方、A系統を修理していた。ところが、1月26日には、頼みのB系統もフィルターの目詰まりでダウンした。
原子炉本体に影響のないトラブルは、毎月15日までに開く月例報告で県や敦賀市に説明する決まりになっている。しかし、動燃はA系統の故障を報告せず、B系統の故障を連絡した1月27日になって、市の「もう1系統はどうなっているのか」との指摘で、A系統でも故障があったことを説明。この日まで隠していたことを認めた
この点について、もんじゅ建設所技術課の広井博課長は「施設本体に影響ないからと安易に判断してしまった」と話している。敦賀市原子力安全対策課の塩津晃治課長らは「異常時報告でなくても、口頭で報告があってしかるべきだ。こちらの指摘で故障を認めるとはあまりにひどい。ナトリウム漏れ事故の際にも厳重注意したばかりだ」と憤慨し、この日、県とともに通報連絡を徹底するよう動燃に強く申し入れた。

(中日新聞 1997/02/01)