【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

チェルノブイリ原発近く 子供の遺伝子に多い突然変異
放射線が原因 初めて確認 英誌に掲載

【ロンドン25日高島良樹】チェルノブイリ原発の近くで生まれた子供は遺伝子に突然変異を起こしている確率が高い、との研究結果が24日、ロンドンで発表された。英科学誌「ネイチャー」最新号に掲載される。
研究をまとめたのは、英国レスタ一大学の遺伝子学の権威、アレック・ジェフリー卿で「放射線が遺伝子の突然変異の原因であることが確認されたのは初めて」としている。
同原発の事故で重大な影響を受けたベラルーシの汚染地域に事故後も住んでいる79家族を対象に、両親と、1994年2月から9月までの間に生まれた子供の血液を採取し、遺伝子を調べた。
一方、同原発事故とはまったく関係ない英国の家族105組を選んで、同様の調査し、両グループを比較した。その結果、ベラルーシの子供には、英国の約2倍の遺伝子突然変異が見られた。
この変化は、遺伝子情報として組み込まれ、次世代に引き継がれていく、と同卿は話している。

(中日新聞 1996/04/26)