【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

事故の放射能が甲状腺がん原因 チェルノブイリ専門委が断定

【ウィーン10日共同】

チェルノブイリ原発事故の汚染地域に住む子供の間に発生した小児甲状腺(せん)がんは1986年4月の事故以来659人に上り「事故の放射能以外の原因は考えられない」とする論文を、事故10周年国際会議の専門家委員会がまとめ10日、報告した。
事故後増え続ける小児甲状腺がんは昨年11月の世界保健機関(WHO)の会議でも「被ばくと関係している」とされたが、一部には検査態勢の強化で発見数が増えただけなどの異論もあった。
今回の報告は、放射能以外の可能性をすべて否定しており、チェルノブイリ周辺の小児甲状腺がんの増加原因をめぐる論争に終止符を打つものといえる。
報告によると、事故以来の小児甲状腺がんの発生数(15歳以下)は、ベラルーシで424人(95年まで)、ウクライナ211人(94年まで)、ロシア24人(同)の計659人。
ベラルーシ、ウクライナとも事故の4年後から急に増え始めた。特にベラルーシでは昨年だけで91人の患者が発生、15歳以下の人口100万人当たりの年間患者発生数は38人と、英国(0.5人)の76倍に上った。

(朝日新聞 1996/04/11)