【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

核再処理工場・施設、建設費2兆円に 設備費高騰、原燃が修正

電力業界の委託を受け、青森県六ケ所村で日本初の民間による核燃料再処理工場の建設を進めている日本原燃(本社・青森市)は31日、工場本体と、海外から返還が始まった高レベル放射性廃棄物の貯蔵施設を含めた建設費の総額は、2兆円前後にのぼる見通しだと発表した。電力会社の団体である電気事業連合会と原燃は1月下旬、約1兆7000億円とする見通しを示していたが、原燃が再度コストの内訳を洗い直して上方修正した。
再処理工場を中心とする建設費の総額は1986年に見積もられ、8400億円と公表されてきた。この時の内訳では(1)再処理工場の土木・設備費が5700億円(2)工場建設にかかわる人件費や支払い利息などが1900億円(3)高レベル放射性廃棄物の貯蔵施設が800億円だった。
コストの高騰が明確になったのは(1)の部分で、5700億円から1兆6000億円と、3倍近くに跳ね上がった。増額分の半分近くが物価上昇によるというが、発表した原燃の野澤清志社長は、メーカーや建設業者への発注に競争原理を十分導入しなかったことも、高騰の原因として認めた。
合計すると2兆円を超える見込み。日本原燃は、(1)と(2)を合わせた工場本体のみの費用を4月ごろに改めて発表する。

(朝日新聞 1996/02/01)