【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

チェルノブイリ 30年後も汚染深刻
ベラルーシ 国土の14%と予測


【ミンスク(ベラルーシ)24日=石田勲】

地球規模の放射能汚染を引き起こしたチェルノブイリ原発事故から30年後の2016年、被災したベラルーシでは国土の約14%がなお深刻な放射能汚染にさらされている、とする予測地図を、同国の水文気象委員会がまとめた。放射性物質セシウム137によるこれまでの汚染をもとに調べた。
世代を超えて人と大地をむしばみ続ける原発事故の恐ろしさを物誇る未来像だ。
同委員会は、1986年から93年にかけて、居住地区約2万5000カ所と森林、草原の地表付近から採った土壌試料約40万点が含むセシウム137を分析、半減期(30年)などから95年と2016年の汚染状況をはじき出した。
それによると、95年では、事故前の平均放射能の約20倍に相当する、1平方キロ当たり1キュリー以上の汚染地域が約4万5500平方キロに及び、全国土の約22%を占める。この地域に現在、人口の約2割に当たる約200万人が暮らしている。日本では、同レベルの汚染の可能性があれば、「放射線管理区域」として一般の立ち入りが禁止される。
2016年を予測すると、ゴメリ市周辺やチェルノブイリ原発に近いウクライナとの国境周辺では、1平方キロ当たり15キュリー以上の地域がなお残る。この汚染レベルは同国では、原則として住民の移住対象地域になっているという。同40キュリー以上の地域もある。1キュリー以上の汚染地域は、全国土の約14%に当たる2万8300平方キロにもなる。

(朝日新聞 1996/01/25)