【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
旧ソ連原発で75年 大量の放射能漏れ ロシア環境安全委員長明かす
【モスクワ19日=西村陽一】旧ソ連のレニングラード原発1号機で1975年11月30日に、推定約150万キュリーの放射性物質が外部に放出される事故が起きていたことを、ロシア安全保障会議のヤブロコフ環境安全委員長が19日までに、朝日新聞記者に明らかにした。事故翌年、周辺地域では、新生児に染色体異常の急増が見られた。事故に関する情報は当時、公開されなかった。90年になってフィンランドの放射能防御センターが旧ソ連政府に照会していた。
ロシア原子力省のカウロフ広報官は、燃料集合体の内壁が焼けて穴があく故障が発生したことは認めたが、「深刻な事故ではなかった」としている。
しかし、ヤブロコフ委員長は、公式見解では「構造上の欠陥で技術系統が破損した」となっているが、複数の発電機が何らかの理由で故障し、その結果、燃料が過熱して、いくつかの燃料棒が破損、炉心の技術チャンネルの1つも破損した、と明かした。この後、水蒸気の爆発が起き、大量の放射性物質が放出されたと説明している。
レニングラード原発は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)市街から約100キロ離れたフィンランド湾岸の森林地帯にある。10年前に大惨事を起こしたウクライナのチェルノブイリ原発と同型同出力のRBMK-1000(黒鉛減速軽水冷却炉)で、92年3月24日にも、3号機で、調整弁の損傷により圧力管への冷却水の供給が減少し、蒸気とともに放射性物質が漏れる事故が起きている。
(朝日新聞 1996/01/20)