【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

もんじゅ事故 化合物、屋外に流出 大気中に拡散か

「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故で、2次系配管室内で発生したナトリウム化合物が屋外に排気された後、近くの吸気口からほかの部屋に入り込んでいたことが25日、科学技術庁の検査で明らかになった。科学技術庁は「周辺住民への健康面の影響はない」としているが、ナトリウム化合物が大気に出ていたことが確実になり、広範囲に広がった恐れもある。
今回の漏れ事故では、ナトリウム化合物が原子炉補助建物内の2割、約4000平方メートルに拡散した。
これまでは部屋の扉のすき間や機器類を通す貴通部から広がったと見られていたが、大気にも出ていたことが確実になった。
科技庁の調べによると、2次系配管室で壊れた空調ダクトの穴から外部の大気に通じる補助建物屋上の排気口の鉄網状のスクリーンにかなりの量のナトリウム化合物が付いていた。約10メートル離れた別の部屋に通じる吸気口にも同じように付着していた。この吸気口は蒸気発生器室などにつながっており、蒸気発生器室でもかなりの量のナトリウム化合物を確認したという。
当時、外に出たナトリウム化合物は排気口から風速10メートルで吸気口まで運ばれ、広がっていったという。
動燃は事故前まで、もんじゅの2次系ナトリウムは漏れても、ある程度の密閉性を配管室に持たせているとしていた。事故時には空調を止める操作も遅れた。
科技庁原子炉規制課は「設計上の問題か運転員の対応の問題かは、今後、調べていく」と話している。

(朝日新聞 1995/12/25)