【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
45万人が放射能汚染 ウラルの軍事工場事故 ロシア閣議報告
【モスクワ28日伊藤嘉英】
ロシア・ウラル地方のチェリャビンスクにある軍事用プルトニウム生産工場による過去の放射能汚染で、45万人が影響を受け、うち5万人はかなりの放射能を浴びたことが、27日明らかになった。
ロシア政府の「チェルノブイリとその他の放射能事故での住民の保護と被害地域の回復国家委員会」のボズニャク議長が同日の閣議に報告した。「ウラルの核惨事」と呼ばれた放射能汚染の被害状況を当局が公式に発表したのは初めて。
この工場は1948年に建設された「マヤック」で、軍事目的のためソ連時代には秘密にされていた。ボズニャク議長によると、49年から56年までの間に管理不手際から核廃棄物の放射能が漏れた。さらに、57年には爆発事故が起き、チェリャビンスク州のほか、クルガン州、スベルドロフスク州にも放射能汚染が広がった。
これまでの流出放射能の量は10億キュリーに達し、これは86年に起きたチェルノブイリ原発事故の実に20倍だという。
(中日新聞 1993/01/28)