細菌性髄膜炎に感染し，残念ながら，2013年1月10日に78歳で亡くなってしまった ジェフ・ベック（Jeff Beck）．
直前までツアー等で元気に演奏していただけに，大きなショックを受けましたが，そんな ジェフ・ベック（Jeff Beck）の最後の音源である 2022年11月12日米国ネバダ州リノはグランド・シエラ・シアター公演のオーディエンス録音が，Wardourレーベルから 『 The Final Concert : Reno 2022 （Wardour-551） 』 としてリリースされました．
この最後のツアーは，かねてより親交があり，アリス・クーパー（Alice Cooper）や エアロスミス（Aerosmith）の ジョー・ペリー（Joe Perry）とのバンド：ハリウッド・ヴァンパイアーズ（Hollywood Vampires）のヴォーカル，ギタリストとしても活躍する俳優の ジョニー・デップ（Johnny Depp）がタッグを組んで，製作した ジェフ・ベック・アンド・ジョニー・デップ（Jeff Beck & Johnny Depp）名義のスタジオ・アルバム 『 18 』（2022年7月15日全世界同時リリース）のプロモーションを兼ねて行われたツアーです．
因みに，Disc 2 / Track 11 の ”Jeff's Final MC” では 「 The Last Night Of The Tour. You Been Amazing. Thank You So Much! 」（「 今夜でツアーは終わりだ．キミは素晴らしかった．本当にありがとう 」）と言っています．
ギターが前面に出ていますが，相応にバランスの良い高音質のオーディエンス録音で，オーディエンス・ノイズも殆ど無く，歓声等もかなり遠目に聴こえるので，関係者が特別な場所で録音したものなのかも知れませんね．
何れにしても，最後の音源だけに感慨深いです．
メーカー情報では
『細菌性髄膜炎に罹患し、78年６ヶ月17日の生涯を閉じたギターの偉人ジェフ・ベック。その最後のステージを語り継ぐ永久保存プレス２CDが登場です。
彼のラスト・ステージとなったのは「2022年11月12日リノ公演」。本作は、その一部始終を刻み込んだ淡麗オーディエンス録音です。
ジェフ最後のプロジェクトはジョニー・デップとのコラボレーションであり、アルバム『18』とそれに伴うワールド・ツアー。レノ公演は、その最終日にあたります。当店ではジェフの動向を常にレポートし続けており、昨年のコラボ・ツアーも数々の傑作群でお伝えしてきました。良い機会でもありますので、当店コレクションを整理しつつ、ジェフ最後のツアーを俯瞰してみましょう。
●欧州レッグ
・５月27日ー６月２日（５公演）
＊６月３日『GLASGOW 2022』
・６月４日ー28日（７公演）
＊７月２日『OSLO 2022』
・７月６日ー15日（６公演）
《７月15日『18』発売》
＊７月17日『UMBRIA JAZZ FESTIVAL 2022』
・７月18日ー25日（６公演）
●北米レッグ
・９月23日＋24日（２公演）
＊９月25日『THE WOODLANDS 2022（映像）』
・９月27日ー10月４日（５公演）
＊10月６日『BOSTON 2022』
・10月７日ー10日（３公演）
＊10月11日『NEW JERSEY 2022』
・10月13日ー17日（４公演）
＊10月19日『NASHVILLE 2022』
・10月20日ー11月10日（11公演）
＊11月12日：リノ公演 ←★本作★
これが2022年のジェフ・ベック。
中にはジェフの単独公演もありましたが、基本的にはデップとの共演ツアーでした。ツアーの完遂から約２ヶ月後、次の動きが注目される中で突然の訃報となったのです。
そんな最後のショウを真空パックした本作は、端正な美録音。ネットでも話題になったマスターを丹念に細心マスタリングで磨き上げた最高峰更新盤です。ホール鳴りもほんのりと立ち上るタイプなのでサウンドボードと間違えたりはしませんが、そのド真ん中を貫く芯は力強く、輪郭もくっきり。（ラストの「The Death and Resurrection Show」では過剰入力気味になってしまいますが）オーディエンスならではの美感を湛えつつ、アンサンブルの機微もしっかりと味わえるのです。
しかも、その美点をさらに引き上げているのが当店独自のマスタリング。ピッチやあノイズ処理は当然として、今回大きかったのは各音域のバランス調整。と言うのもネット原音は中音域に特化していて低音が薄く、高音の伸びも今イチ。その結果スカスカと気の抜けたサウンドになってしまい、ヴォーカルが聞き取りづらかった。本作は、そんな音域バランスを整えており、無闇矢鱈な音圧稼ぎをせずとも鮮やかさも聞きやすさも格段に向上しているのです。
そんなアップグレード・サウンドで画かれるのは、１曲１曲に「これが最後」の重みが宿ったフルショウ。共演ツアーは前半が通常通りのインストで、途中でデップが登場。ヴォーカルをメインとした後半セットとなります。それでは、ここでジェフ最後のフルセットを整理しておきましょう。
●前半（インスト・ステージ）
・『18』：Midnight Walker／Caroline, No
・アルバム曲：Freeway Jam／Loose Cannon／Big Block／Star Cycle／Brush With the Blues／You Never Know／Cause We've Ended as Lovers
・その他カバー：You Know You Know／Me and the Devil Blues
●後半（ジョニー・デップ共演）
・『18』：This Is A Song For Miss Heady Lamarr／Isolation／Time／The Death And Resurrection Show
・その他：Rumble／A Day In The Life／Corpus Christi Carol／Little Wing
何百回聞いたか分からない「Freeway Jam」や「Big Block」「Star Cycle」等々など……。そのどれもが最後の生演奏なのです。
そして、前半セットのラストで演奏される「哀しみの恋人達」。ジェフ自ら人生を祝福するような美しい旋律が胸に染み渡り、呼吸さえも止まる深い深い情感に沈んでいくのです。
えらくクッキリとしたジェフ最後のMC「The last night of the tour. You been amazing. Thank you so much.（今夜でツアーは終わりだ。キミ達は驚きだよ。本当にありがとう）」で幕を閉じる本作。当時はこれが最後になるとは夢にも思いませんでしたが、遂にその日が来てしまったのです。偉大なるギター・ジャイアントとの別れの時。最高峰更新サウンドを永久に刻み込んだプレス２CDで、ぜひ噛みしめてください。
★生前最後のショウ「2022年11月12日リノ公演」の淡麗オーディエンス録音。
話題のネット音源を丹念に細心マスタリングで磨き上げた最高峰更新盤です。ほんのりと立ち上るホール鳴りのド真ん中を貫く芯は力強く、輪郭もくっきり。しかも当店独自のマスタリングで各音域のバランスも整い、スカスカ感やヴォーカルの聞き取りづらさも解消。最後のMC「The last night of the tour. You been amazing. Thank you so much」も胸に迫る遺作アルバムです。』
The Final Concert : Reno 2022 （Wardour-551）
Live At Grand Sierra Theatre, Reno, NV, USA
12th November 2022
[UPGRADE]
Disc 1
01. Intro.
02. Freeway Jam
03. Loose Cannon
04. Midnight Walker
05. Big Block
06. Caroline, No
07. You Know You Know
08. Me And The Devil Blues
09. Star Cycle
10. Brush With the Blues
11. You Never Know
12. Cause We've Ended As Lovers
TOTAL TIME (46:36)
Disc 2
01. Johnny Depp joins
02. Rumble
03. This Is A Song For Miss Hedy Lamarr
04. Isolation
05. Time
06. Venus In Furs
07. A Day In The Life
08. Corpus Christi Carol
09. Little Wing
10. The Death And Resurrection Show
11. Jeff's final MC
TOTAL TIME (36:57)
Jeff Beck : Guitar
Johnny Depp : Vocal, Guitar
Robert Adam Stevenson : Keyboards
Rhonda Smith : Bass
Anika Nilles : Drums
Star Cycle
Cause We've Ended As Lovers
Venus In Furs
The Death And Resurrection Show
[参考]
#2023‐03‐22