1971年9月初来日を果たしたレッド・ツェッペリンは,9月23日,24日は東京武道館,27日は広島県立体育館,28日,29日は大阪城フェスティバルホールで公演を行いました.
 本CDは,1971年9月27日広島県立体育館(キャパシティは6,000人前後)でのチャリティ・コンサートをオーディエンス収録したもので,EVSD (:Empress Valley Supreme Disc)レーベルよりリリースされました.
 本CDのイントロ部分で,地元ラジオ局のDJがMCで言っているように,レッド・ツェッペリンは広島のチャリティー・コンサートの為に来日し,東京・大阪公演はおまけだったのかも知れません.何せ広島公演はレッド・ツェッペリン側の強い要望だったようですから.
 また全体的に演奏時間は東京・大阪よりは短めですが,特別の意味合いがあったのかも知れません.

 この音源はヒスノイズがあり音像として少し遠めですが,バランスが良く高音質で収録されたステレオ・オーディエンスです.一部カット部分を既溌に使用されている音源で補填して,擬似完全版として製作されています.こんなマスターが未だあったなんて驚きです.
 ちなみに噂ではありますが,日本公演は何日間かボードで正式に録音していたとの話もありますので,何時しかその音源が陽の目を見ることを祈っています.

 そして久々に発掘された,1971年来日音源.しかも今まで音質が悪かった広島公演のもので,音質アップの別マスター版となれば,即買いでしょ.(笑)

 既発では Mud Dogsレーベルの「Peace Of Mind (Mud Dogs-002/003)」,旧Tarantura系Peace Recordsレーベルの「Peace - Hiroshima」,Bumble Beeレーベルの「Love & Peace In HIroshima (BB-0702007-8)」.Wendyレーベルの「Live Peace In Hiroshima 1971 (Wendy wecd-01/02)」.Taranturaレーベルの「Zing (TCD-KUROFUNE-3 (927-1,2))」等々がありますが,今回のものが決定盤でしょう.

 "Introduction" は,9分32秒ありますが,6分43秒のところで急に音質が変わります.前半部は既発テープ音源で補填しているのでしょうか.ツェッペリンが登場する前の 8分強が収録されているというのもドキュメントです.
 簡単なサウンド・チェック,ロバート・プラントの "Good Evening,そしてジョン・ボーナムの "Two Three Four" のハイハットを叩くカウントから,一曲目 "Immigrant Song" の演奏が始まります.全体を通してジョン・ポール・ジョーンズのベースのドライブ感は凄いですねぇ.圧巻です.ロバート・プラントの声の調子は今一のようで,絶好調ではありませんが,それでも導入部のハイトーン・ボイスが素晴らしく,後半になるに従い多少持ち直します.
 メドレー的に演奏される "Heartbreaker" では,中間部のジミー・ペイジの独りソロ部分は,静かな分,音の良さを実感できます."Heartbreaker" 後半の歌の部分には,エコーをかけています.当時会場にいた観客は,大音量と演奏の凄さに,この 2曲だけで度肝を抜かれたでしょうね.
 キーボードのサウンドチェックの後に始まる "Since I've Been Loving You" は,じっくりと聴かせます.続いてロバート・プラントのMCの後 "Black Dog" が演奏されます.まだこの時点では「IV」はリリースされていませんから,"Stairway to Heaven" と同様に日本の観客は初めて東京についで,この曲を聴くことになります.
 続いて 3年前の古い曲というアナウンスで,"Dazed And Confused" が演奏されます.この演奏も比較的長い28分弱の演奏です.20分04秒のところで,テープ反転の為か,テープカットがあり,それを既発音源で補填しています.
 "Stairway To Heaven" では,出だしが噛み合わないのか、空回りなのか、弾きだし、即座に止めます。その後プラントが"Good Evening"と何時もの調子で観客に呼びかけると同時に,アルペジオ部分が始まります.この曲ではギブソンのダブル・ネックが披露された訳です.
 アコースティック・セットでは "That's The Way","Going To California","Tangerine"を演奏しますが,本当に音の良さを実感できます.エレクトリック・セットに戻って "What Is and What Should Never Be"の後に,ジミー・ペイジが "Moby Dick" 演奏用のギター・チューニングに変更し,ロバート・プラントの "On Drums. John Bonham Moby Dick" と定番の紹介で始まる "Moby Dick" は,18分強というドラム・ソロで,8分40秒過ぎからは,自身の手でドラムを叩くパフォーマンスを披露します.このドラム・ソロの迫力は凄いですねぇ.終了後再度ジミー・ペイジがギターをレギュラー・チューニングに戻します.
 そして即興で違う曲を演奏する余裕も見せ,いきなりカット・インで始まる "Whole Lotta Love" のリフ.この日の"Whole Lotta Love" メドレーは,東京・大阪公演での30分超のものと比較すると,18分程度と短いですが,コンパクトに纏められています.そして "Whole Lotta Love" 終了後の19分08秒前後で,テーパーがテープを一旦停止させたのでしょう,そこからツェッペリンがステージ上に再登場するまで,既発テープで繋いでいます.
 アンコールの "Communication Breakdown" では,観客がヒートアップしてステージに押し寄せた為 2分22秒に演奏を中断し,ロバート・プラントが観客をなだめるように "Move Back.
... Please To Not Come On A Stage. ... Stop. ... Be Cool. Please. Please. Listen. ... Sit Down.」途中からは主催者側が「静かに! 最後ですから静かにしてください!」ともアナウンスしています.この後,観客も落ち着いたのか 3分22秒に途中から演奏を再開します.
 "Communication Breakdown" 終了後の 7分31秒から,再度既発音源で補填していますが,音質に相当差があります.(笑)
 "Organ Solo" ~ "Thank You" を広島で演奏していないのが,少し残念です.

 ちなみに本CDのジャケは,当時の新聞を印刷した下記のものと,ステージ上の写真のものと 2種類あります.

* Love and Peace * (EVSD-591/592/593)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-LZ -  LOVE AND PEACE(EVSD-591/592/593)
 Live At Hiroshima Prefectural Gymnasium,Hiroshima,JAPAN) 
 September 27th 1971

 Disc 1
  1. Introduction
  2. Immigrant Song
  3. Heartbreaker
  4. Since I've Been Loving You
  5. Black Dog
  6. Dazed and Confused

 Disc 2
  1. Stairway to Heaven
  2. Celebration Day
  3. That's the Way
  4. Going to California
  5. Tangerine
  6. What Is and What Should Never Be
  7. Moby Dick

 Disc 3
  1. Whole Lotta Love
  2. Communication Breakdown

 Immigrant Song
 
 Since I've Been Loving You
 
 Stairway to Heaven
 
 Communication Breakdown
 



{参考]
 Peace Of Mind (Mud Dogs-002)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-LZ - Peace Of Mind MD002
 Peace Of Mind (Mud Dogs-003)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-LZ - Peace Of Mind MD003
 Peace - Hiroshima
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Led Zeppelin - Peace - HIroshima
  ※)これは紙の包装で,この中に白と青の煙草の「PEACE」を捩ったジャケのプラケースが入っています.
 Love & Peace In HIroshima (BB-0702007-8)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Led Zeppelin - Love & Peace In HIroshima
 Live Peace In Hiroshima 1971 (Wecd-01/02)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Led Zeppelin - Live Peace In HIroshima
 Zing (TCD-KUROFUNE-3 (927-1,2))
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Led Zeppelin - Zingi