Windows 11 24H2は古いパソコンには手動アップデート、インストールはできなかった。

 Windows 11のアップデートに関してのドタバタ劇があったので、その顛末を記しておきたいと思います。

 現在メインで使っているPCは、中古で入手した古いNEC製ノートパソコンです。
 フリマサイトで入手しました。出品者は個人で、趣味として古いパソコンをリフレッシュして出品されている様子でした。
 

 購入した動機は、それまで使っていたPCの挙動があやしくなったので、手遅れになる前に動く個体をとりあえず確保しておくというものでした。Windows11が入っているということで(自分のPCは10)値段も安かったので買いました。
 使い始めてみても特に不満はなく、足りないところは補いながら使用していました。
OSのアップデートについては、普段それほど意識したことはなく、シャットダウンが遅くなるから面倒だな、という程度でした。それが、ある日「21H2」から更新されていないことに気づきました。設定のWindows Updateから読み込みに行けば更新できるだろうと思い、やってみましたが、更新できませんでした。そのときは、さほど気にせず「できなかったか」程度に思って放置したままでした。
 

 その後、21H2のサポート期間はとうに過ぎており、最新は24H2であることを知りましたので、これは更新しておいたほうがよいと思っていたところ、「古いパソコンには手動で更新する」という情報を目にするようになりました。Windows 11は、古いPCにはインストールできないということは知っていましたし、元々使っていたPCはWindows 7から 10に更新したもので、チェックをかけると11はインストール不可と表示されていました。
 フリマサイトで入手した現在メインのPCも古いものですが、既にWindows 11が入っているので、更新はできると思っていました。
 

 そして、ネットに上がっている情報をもとに、Win 11のイメージファイルをダウンロードして、右クリック→マウント→「setup /product server」から、設定を引き継ぐインストールを試みました。順調に進行して一通り終了後、再起動となり無事更新と思っていたところ、画面に現れたのは「A disk read error occured Press Ctrl + Alt + Del to start」。表示どおりにCtrl + Alt + Delを試すも結果は同じ、何度試みても先に進まない。メッセージからして、起動ディスクを読んでいないということなので、改めてBIOSのブートドライブを設定し直し、再起動してみましたが結果は変わりませんでした。
 少しあせってきました。PCは別途Win10機がありますので仕事は可能です。Androidタブレットもあります。しかしこのPCはシステムのバックアップや、一部データもバックアップしていませんでした。とりあえず、PCが今どういう状態なのか把握したいと思い、ネット上の情報を集めました。
 

 「A disk read error」で検索。
 

 その後、関連で出てくる情報を片っ端からチェックして、似たような状況に遭っている方が、価格comのクチコミ欄に投稿されていました。
https://bbs.kakaku.com/bbs/J0000003289/SortID=25920002/#tab
ここで読んだことが最も参考になりました。
 そして現状把握として、
①ハードディスクのフォーマット形式には、MBRとGPTの2種類があること。
②ブート方法には、レガシーとUEFIの2種類があること。
③基本的にMBRフォーマットにはレガシー、GPTにはUEFIの組み合わせであること。
④MBR/レガシーの組み合わせは旧式であること。
⑤Windows 11 24H2はMBR/レガシーには対応していないということ。
などが判りました。
 

 今回手動で更新しようとして失敗したPCは、よく見てみると、これも元々Windows7時代の旧式で、MBR/レガシーのものでした。24H2をインストールしたものの、UEFIブートではないので起動できない状態だったということのようです。
 PCの状態が把握できたので、解決策を探ることになります。また、それと並行してバックアップしていなかったデータをコピーすることもしなければなりません。

 幸いもう1つのPCで、以前にHDDをSSDに換装していて、取り外した元のHDDは外付けドライブとして使えるようにUSB付きのケースに入れて保管していました。Win10のシステムもそのままにしていました。それを使ったらUSB経由で、今回のPCでWindowsを立ち上げることができました。データ部分のドライブにもアクセスできたので、最低限必要なデータはバックアップすることができました。とりあえず急場は凌げる状態になったので、今後どのようにすれば回復するのか、あちこち参考になりそうなサイトがないか、ググりながら考えました。
 

 Windowsには復元ポイントに戻って、OSの状態を不具合が出る前の状態に戻せる機能があるので、そこに辿り着く方法はないものか考えました。もう1つのPCでWindowsのシステム修復ディスクを作って、何とかならないか試してみました。無事起動はできて、トラブルシューティングにも行くのですが、結果はダメでした。「復元ポイントがありません」というメッセージです。
 

 前述の参考にしていた価格comのクチコミに、BIOSに裏メニューがあったという記述もありました。F2+[D]でBIOSを起動すると、ブート方法をレガシーからUEFIに切り替えるメニューが出るというものでした。BIOSの名称もバージョンも同じだったので、やってみましたがそのようなメニューは出てきません。いろいろ違うキーを押して試してみましたが、裏メニューには現れませんでした。
 

 Rufus 4.6というソフトを使って、USBメモリにイメージファイルを保存した後、USBからブートしてインストールすることが可能、という書き込みも同じ価格comのクチコミにありました。Rufus上で、インストール先に対して、MBR/レガシーに指定することもできるということだったのでやってみました。結果は起動しませんでした。BIOSで起動先をUSBメモリを優先にしても起動しませんでした。
 

 仕方がないので、先ほどの修復ディスクでコマンドプロンプト画面にして、そこからSETUPコマンドで起動に成功しました。その後インストール形式を、設定を引き継ぐインストールか、新規インストールかを選ぶ画面で、引き継ぐを選びましたが、それは不可でした。新規インストールは選べたので、そちらの方へ進んで行きました。インストール先のドライブを選ぶよう指示が出たので、システムが入っているドライブをクリックしました。しかし、その場所にはインストールできませんというメッセージです。この時には、他にメッセージは出ていなかったと思います。原因が判らず、どうしたらよいか考え直すことになりました。
 

 改めて、価格comのクチコミを読み直していて、Windows11の23H2であれば、MBR/レガシー環境でもインストール、起動が可能であると判断しました。24H2は、仮にインストールできたとしても、起動できない可能性も高く、とりあえずRufusを使って23H2をインストールするのが一番成功する可能性が高いのでは、という判断になりました。
 しかしながら公式のサイトには24H2しか見当たりません。ここも「Windows11 23H2 ダウンロード」で検索するとありました。ただし、DL後にsetupでイメージファイルを構築していくもので、完成まで結構時間がかかりました。(2時間以上)その間、動いているのか止まっているのか分からない状態の時もあり、不用意に止めてしまいそうになります。
 

 完成したイメージファイルを再びRufus 4.6でUSBメモリに書き込んで、起動を試みました。 今回は起動しました。しかし今回も設定を引き継いでのインストールはできませんでした。改めて最初からとなりますが、Rufusが起動しませんでした。またか、と思っていましたが、偶然一旦電源スイッチをオフにして、再度オンにしてみたところ起動しました。24H2のインストールを試みていたときは、スイッチをオフにせず、Ctrl + Alt + Delによるrebootだったので、同じようにしていたら起動していたかもしれません。
 

 その後、今度は新規インストールで進めて行きましたが、インストールするドライブを選んだところ、インストールできませんでした。今回はメッセージが出ていて、「選ばれた場所にWindowsをインストールできませんでした。メディアドライブを確認してください。エラーの詳しい情報:0x80300024。」ということでした。
 

 またまた今度は「0x80300024」を手掛かりに検索をかけました。

 

 これにも色々な原因が考えられるらしく、インストール先のドライブのパーティションを削除するとか、フォーマットするとか対策方法が書かれていました。下手に操作して元に戻せなくなるのも怖いですが、何もしないというのも先に進めません。詰んだ感じがしていました。試しに、「OS」は入っているパーティションの前のパーティション(「システムで予約済み」と表示されている)を削除して、再度インストールを試みました。結果はインストールできませんでした。次はシステムドライブを再フォーマット?ちょっと怖くて躊躇してしまいます。
 

 もう一度ネットをブラウジングしながら、どうしたものか色々考えていました。その中に、Windowsをクリーンインストールするときには、インストールするHDD以外のデバイスは取り外しておくべきという記事があったのと、最初にRufusでインストールを試みたときに、よく覚えていなかったのですが、何か「すべて取り外せ」というようなメッセージが出ていたのを思い出しました。そのときは意味が分からず、「インストールするためにUSBを挿しているのに、これは取り外せないだろう」ぐらいにしか思っていませんでしたが、この2つのことが結びつきました。
 

 実は、インストールしようとしているPCは、再生品であり、改造品なのです。マザーボードにあるmSATAのコネクタに、OS用にSSDが増設されていて、本来のSATAポートにデータ用のHDDがあるのです。そこで、データ用のHDDを取り外してからmSATAのSSDのみの状態にしたあと、Windowsのインストールを試みました。すると、めでたくインストールが開始されました。そして再起動のフェーズに突入。画面が暗くなり、次に出てくるのはエラーメッセージかそれともウインドウロゴか・・。見事ウインドウロゴが現れ、23H2の再インストールが完了しました。クリーンインストールなので、ソフトやプリンタドライバーなどは再度インストールする必要がありましたが、データドライブはそのままだったので、ほぼ以前の環境を再現することができました。

 今回の一件で得たことは、
①Windows11 24H2は、古いPC(MBR/レガシー仕様)に手動インストールを試みない方がよい。23H2までは可。
②クリーンインストールするときは、PC内に複数のストレージデバイスが接続されている場合、ターゲットとなるHDD/SSD以外のデバイスは取り外しておいた方が確実。
③手動で更新インストールする際は失敗に備えて、復元できるバックアップを取っておくこと。

 現時点で、Windows11 23H2のサポート終了予定は2025年11月なので、それ以降どうするか考えておく必要があります。Windows10も10月までなので、そっちも含めて古いハードはいよいよ見切ることになるのか、それともサポートが延長されるようなことがあるのか、はたまた古いハードにもインストールできる裏技的な方法があるのか、といったところでしょうか。YouTubeでは、Linux系のOSに入れ替えるというのも出ています。
 個人的にはゲームとかをやるわけでもないので、高いお金を出して高性能のPCに買い替えるモチベーションは、なかなか湧いてきません。特に今所有している古いWin10の方のPCは高精細液晶と、音回りはYAMAHAなので、その部分は気に入っているのです。これから半年間熟慮したいと思います。