クライブ・カッスラー著「タイタニックを引き揚げろ」全2巻を読み終えました。



時は1987年。

米ソ冷戦下の世界。

軍事技術に転用可能されたら絶大な影響をもたらすと言われる希少な鉱物資源を巡り、米国政府の後ろ楯を持つ研究機関とソ連が相手より先の獲得を目論んでいた。

その鉱物資源が1912年に沈没した豪華客船タイタニック号に眠っているとの情報。

米国はタイタニック号そのものを引き揚げる前代未聞の策に出る。

ソ連の妨害工作も予想されるなか、前代未聞の試みは成功するのか?という軍事サスペンス、海洋アドベンチャー小説。


大分前に映画化されました。

地方の古き良き制度、二本立て上映の一本として観た記憶があります。


出版は1976年。

その時代のことですから米ソ対立による緊張感が高かった頃。

その状況が続くことを仮定して描いておるわけですが、舞台となった1987年ともなると現実世界ではソ連はボロが色々出て来て終焉に向かっていたように覚えています。

その2年後にソ連は崩壊しましたね。


ですがロシアに生まれ変わってもキナ臭いことを続けているわけですから、米国の仮想敵国としての脅威は続いており、この小説の緊迫感は結果として健在であると思いました。