浮谷東次郎著「がむしゃら1500キロ」を読み終えました。


浮谷東次郎氏は二輪、四輪のレーサー。
1965年にサーキットでの事故で亡くなりました。
享年23歳。

この本は浮谷氏が15歳の夏休み時に千葉県市川から大阪まで1500kmをバイクで往復したときの手記です。
最初に読んだのは中学生くらいだったかと。

バイクのスペックについての書いてありました。
ドイツメーカーのクライドラーという車種。
2ストローク50cc,2.5馬力。
サスペンションは前輪のみとのこと。
ざっと当時の運転免許制度を調べてみたところ、当時は14歳で原付免許がとれたらしい。

アタシは250ccのバイクに乗ってましたが、1日100kmも乗ると結構疲れました。
それと比較すると後輪サスペンションなしの非力な50ccで往復1500kmというのはかなりの冒険だったことでしょう。

出発に際し父上は「人生見学の一部として行かせる」ということを本人に告げ、旅費を渡したとあります。
なかなか素晴らしい父上ではないでしょうか。

浮谷少年はなかなかに多感な人であります。
真夏の炎天下、スイカ売りの女の子を見かけて、自分は遊んでいるのにこの子は仕事をしていると物悲しさを感じたり。
あるいは旅の途上で見かけた美人のお姉さまにときめいたり。

色々ありながら走破を達成したことへの感心、素晴らしいと思うことと同時に、何か甘酸っぱい思いも出てくる作品だと思いました。