ロバート・ラドラム著「殺戮のオデッセイ」全3巻を読み終えました。


原題は「The Bourne supremacy」。
ジェイソン・ボーン・シリーズの第2作。
映画の2作目も「The Bourne supremacy」というタイトルですが、映画と小説は全くの別物。
映画のストーリーはオリジナルでした。

ここでは小説について書きます。

1作目で自分の本当の姿はデヴィッド・ウェブという人物で、訳あってCIA工作員の訓練を受けジェイソン・ボーンとして活動していたということが分かりました。
そこからの続き。
デヴィッド・ウェブに戻り、結婚して大学准教授として暮らしていたデヴィッドのもとに諜報機関が訪れ、任務への協力を依頼される。
中国返還を控える香港(この時代背景は1980年代後半)に「ジェイソン・ボーン」を名乗る暗殺者が出現。
その暗躍を止めることが任務。
断るデヴィッドだが、妻が何者かに誘拐されてしまう。
妻を取り戻すためにデヴィッドは再び暗殺者「ジェイソン・ボーン」となり香港に向かう。

大筋はこんなところ。

事件の背景には香港の中国変換後に香港の経済的な権益を不正に独占しようとする中国政府閣僚の絡んだグループがありそう、との設定でした。
中国本土が徐々に香港の色々な権利を奪っている現在の状況となんとなく繋がるような気がしました。

この作品は1986年に刊行されたもので、著者は当然21世紀の現在の状況は知らないわけですが、こういうことも起こりうる、という可能性を書いたらそれに近いことが起こったというところなのでしょう。